1998 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症予防を目的としたヒト血中及び食事中のビタミンD濃度の地域差に関する研究
Project/Area Number |
09770234
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中村 和利 新潟大学, 医学部, 助手 (70207869)
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Keywords | ビタミンD / 骨粗鬆症 / 25-hydroxyvitamin D / 女性 / 中高年 / 疲学 |
Research Abstract |
本研究は骨粗鬆症予防を目的とし、地域の中高年女性の血中ビタミンDの栄養状態を調査し、その地域差を明らかにすることを目的とした。調査対象は新潟県豊栄市のN地区における定期健康診断を受診した40歳以上の女性236名とした。236名中173名(73.3%)が本調査研究に参加し、除外基準に該当した13名を除いた160名を分析対象とした。液体クロマトグラフィー法により体内のビタミンDの栄養状態の指標である血清中25-OH-D(D2,D3)の測定を行った。また、副甲状腺ホルモンはiPTHをtwo-site immunoradiometric assayにて測定した。病歴、年齢、職業(屋外または屋内労働)、月経・出産歴の他に、外出の時間、太陽光線に対する皮膚の保護状況、ビタミンDを含む食物の摂取状況を尋ねた。対象者の平均年齢は65.6歳(42〜84歳)で、93.7%は閉経後であった。血中の25-OH-D2,25-OH-D3の平均値はそれぞれ0.5nmol/l(SD3.2)78.3nm01/1(SD17.8)であった。25-OH-D3の分布はほぼ正規性を示した。明かなビタミンD低下症の基準である40nmol/l未満を示すものはみられなかった。年齢の低下による25-OH-D3の減少は明かではなかった。しかしながら、25-OH-D3は屋内労働をする者が低値を示した(p<0.05)。iPTH濃度の平均値は2.19pmol/l(SD 1.02)であった。諸外国のデータと比較すると、この集団の25-OH-D、iPTHはともに良好な状態であった。しかしながら、低25-OH-Dの予備軍と考えられる者が5%みられた。今後、25-OH-Dの季節変動などを含めた詳細な検討が必要である。
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