1997 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者における血液中脂肪酸組成と抑うつ症状の関係について
Project/Area Number |
09770242
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
瀬古 知永子 昭和大学, 医学部, 助手 (50276557)
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Keywords | 脂肪酸組成 / 抑うつ症状 / 血漿 / 赤血球膜 / りん脂質 / 高齢者 |
Research Abstract |
同一敷地内にある養護・軽老人ホーム入居者を対象にして血漿および赤血球膜リン脂質中の脂肪酸と抑うつ症状の関係について検討した。 対象者は調査参加に同意した47名(男性10名、女性37名、平均年齢80.5歳±6.4歳)である。血漿および赤血球膜リン脂質中の脂肪酸組成は、早朝空腹時に採血した血液から測定した。抑うつ症状の評価にはGeriatric Depression Scale(GDS)を用いた。 抑うつ得点の平均値は11.7±5.7点であった。血漿および赤血球膜リン脂質中の脂肪酸と抑うつ得点との相関関係を調べたところ、抑うつ得点はn-6系多価不飽和脂肪酸とは正の相関、n-3系多価不飽和脂肪酸とは負の相関を示す傾向がみられた。また、血漿および赤血球膜リン脂質中のアラキドン酸/エイコサペンタエン酸比が抑うつ得点と有意な相関を示した(p<0.05)。 次に、抑うつ得点が11点以上を抑うつ症状ありとして、抑うつ症状なしと抑うつ症状ありの2群で血漿および赤血球膜リン脂質中の脂肪酸組成についてt検定で検討した。その結果、血漿および赤血球膜リン脂質の両方で、抑うつ症状あり群がなし群よりもアラキドン酸/エイコサペンタエン酸比が有意に高い結果であった。 これらのことからアラキドン酸/エイコサペンタエン酸比が抑うつ症状と関連する可能性が示された。 来年度も同様に血液中の脂肪酸組成と抑うつ得点との関係を検討し、さらに縦断的にも検討する予定である。
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