1998 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者における血液中脂肪酸組成と抑うつ症状の関係について
Project/Area Number |
09770242
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
瀬古 知永子 昭和大学, 医学部, 助手 (50276557)
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Keywords | 脂肪酸組成 / 抑うつ症状 / 血漿 / 赤血球膜 / リン脂質 / 高齢者 |
Research Abstract |
同一敷地内にある養護・軽費老人ホーム入居者を対象にして血漿および赤血球膜リン脂質中の脂肪酸組成と次年度の抑うつ症状の関係について縦断的に検討した対象者は初年度、次年度ともに調査参加に同意した33名、平均年齢80.1±7.3歳(男性4名、平均年齢72.8±4.2歳、女性29名、81.1±7.1歳)である。血漿および赤血球膜リン脂質中の脂肪酸組成は、早朝空腹時に採血した血液からガスクロマトグラフィーで測定し、中央値を基準に、高低の2群に分けた。抑うつ症状の評価にはGeriatric Depression Scale(GDS)を用い、GDS得点が11点以上を抑うつ症状ありとした。初年度の各脂肪酸の高低と次年度の抑うつ症状の有無との関係をχ2検定、またはFisherの直接確率計算により検討した。さらに、単変量の解析で次年度の抑うつ症状と有意な関連を示した脂肪酸、性別、年齢(79歳以下、80歳以上)、初年度の抑うつ症状の有無を説明変数、次年度の抑うつ症状の有無を目的変数として、ステップワイズ法によるロジスティック回帰分析を行った。 血漿リン脂質中n-3、n-6系多価不飽和脂肪酸と次年度の抑うつ症状との関連は認められなかったが、赤血球膜リン脂質中では、C22:6n-3(DHA)が中央値より高い人は、次年度に抑うつ症状を有する危険性が低いことが示された(Odds比0.10、95%信頼区間0.009-0.513)。
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