1998 Fiscal Year Annual Research Report
都市におけるヘルスゲインの測定評価とそれをもたらす寄与条件の解明
Project/Area Number |
09770253
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中村 桂子 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (00211433)
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Keywords | 都市 / ヘルスゲイン / WHO / 地理情報システム / 健康都市プロジェクト / ヘルスプロモーション / 人口動態統計 / 健康指標 |
Research Abstract |
本研究は、我が国の諸都市と欧州の諸都市を研究対象都市とし、1990年から1995年までの5年間に観察された「ヘルスゲイン」を測定評価し、都市において「ヘルスゲイン」をもたらす条件を明らかにする目的で行った。 1.わが国の都市および欧州の都市における、数値化された統計指標からは明らかにしにくい、ライフスタイル、ヘルスプロモーション活動に関する指標を得るために、対象諸都市におけるライフスタイルとヘルスプロモーション活動の調査を行った。「ヘルスゲイン」の実測値ならびに標準化後の指標値を算出し、さらにヘルスゲインに寄与する諸要因についての指標による解析結果と、実査による解析結果を比較し、新たな指標の妥当性、信頼性を検討した。2.1990年と1995年の健康増進活動指標と、健康指標、社会経済指標、環境指標データベースを作成し、地理情報システム(GIS)により解析し、指標の代表性を検討した。3.人口による重み付き因子分析、重回帰モデルにより、指標間の相互の関連性を解析し、「ヘルスゲイン」に寄与する健康決定要因の条件を明らかにした。4.健康増進予防活動、住居環境条件、居住地域の環境条件、都市インフラストラクチャー、雇用の各条件をヘルスゲインに直接寄与する因子と設定する解析モデルが、適合度の高いモデルとなることが明らかになった。間接的な寄与条件として、人口、地域活動、教育、所得、地域経済、保健医療福祉サービス資源、労働環境の因子がモデル構築に必要であった。5.重み付け因子分析と健康決定要因諸指標の分類解析結果に基き、「ヘルスゲイン」を測定する健康指標の選択方法と代表的な指数の作成手法、ならびに「ヘルスゲイン」をもたらす寄与条件の解析モデルを提案した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Nakamura: "Increase of female drinking in urban areas and its impact on economic burden of alcohol abuse." Cross Cultural Collaborations in Alcohol-Use Disorders. 67 (1998)
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[Publications] 矢島新子: "健康情報へのアクセスと地域の健康資源分布" 日本衛生学雑誌. 54(1). 301 (1999)
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[Publications] S.Yajima: "Accessibility to health information realised by community participation programme." International Conference on Health and Urban Environment. 376 (1998)
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[Publications] 矢島新子: "地域参加型健康教育による食生活の変化に関する評価" 日本公衆衛生学雑誌. 45(10). 246 (1998)
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[Publications] 矢島新子: "地域参加型健康推進事業がHealth literacyにもたらす効果" 日本衛生学雑誌. 54(1). 266 (1999)
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[Publications] 金子善博: "健康水準に関する都市諸因子の地理的分布" 日本衛生学雑誌. 54(1). 300 (1999)