1998 Fiscal Year Annual Research Report
症例対照研究によるIgA腎症リスクファクターの検討
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09770258
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
若井 建志 名古屋大学, 医学部, 助手 (50270989)
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Keywords | IgA腎症 / 症例対照研究 / 危険因子 / 家族歴 / 脂肪酸 / 上気道感染 |
Research Abstract |
IgA腎症の危険因子を明らかにするために、東海地区で症例対照研究を実施した。症例は、1997年以降に参加24施設で腎生検により同症と新たに診断された20歳以上の患者である。対照は、性・年齢・居住地(小選挙区にもとづく)の分布が症例と類似するよう、頻度対応法を用いて一般住民(選挙人名簿による)から無作為に抽出した。疫学情報については自記式問診票を用いて収集し、対照予定者の回答率は66.7%であった。 症例97例(平均年齢±SD37.6±14.4歳、うち女性は48例)、対照208例(同40.1±14.5歳、104例)にもとづく解析から、以下の危険因子が示唆された。(1)慢性腎炎家族歴(オッズ比(95%信頼区間)2.51(1.13-5.57))、(2)かぜの頻回罹患(同2.31(1.07-5.00)一年4回以上vs年1回以下)、(3)過去1年以内の扁桃炎の既往(同3.25(1.42-7.43)-2回以上vsなし)、(4)高血圧既往歴(同3.77(1.65-8.62))、(5)塩からいもの好み(同1.78(1.08-2.95)一「大好き」 ・ 「好き」Vsそれ以外)、(6)米飯の多量摂取(同1.65(0.93-2.94),p:0.087-1日300g以上vs300g未満)、(7)PUFAとくにn-6PUFAの多量摂取(trendp:PUFA0.088、n-6PUFA0.031.n-6PUFA摂取第3三分位の第1三分位に対するオッズ比(95%信頼区間)2.03(1.04-3.97))。このうち、(1)、(2)、(5)、(6)については昨年度実施した症例対照研究と同様の傾向であり、IgA腎症の危険因子である可能性が高いと考えられた。一方、コーヒーの多量摂取はIgA腎症の低リスクと関連する傾向がみられた(trendp=0.078)。有機溶剤への曝露についてはリスク上昇との明確な関連は示さなかった。現在も症例および対照の調査は継続しており、情報収集が終了した時点で最終的な解析を実施する予定である。
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Research Products
(1 results)