1997 Fiscal Year Annual Research Report
学齢期における肥満発症と安静時代謝率,食事誘発性熱産生との関連
Project/Area Number |
09770259
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
戸部 秀之 大阪教育大学, 教育学部, 助手 (70273745)
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Keywords | 安静時代謝率 / 食事誘発性熱産生 / 肥満 / 学齢期 |
Research Abstract |
1.学校現場や保護者との協力体制の確保 本研究は発育発達期の児童生徒を対象として,安静時代謝率や食事誘発性熱産生の個人差が小児肥満の発症に影響を及ぼしているかどうかを検討することを目的としている.学齢期の子どもを対象とするため,学校現場や保護者の理解と協力が不可欠であり,また測定に当たっては成人を対象とした場合と異なった特別の配慮が必要である.本年度は,まず,学校現場や保護者とコミュニケーションを取り,研究のための協力態勢確保に努めた. 2.測定条件設定のための予備実験 発育発達期の子どもを対象にした安静時代謝率,食事誘発性熱産生の研究は内外ともに極めて少なく,成人と同じ方法論の適用が可能であるかどうかの検討も十分なされていない.また,測定条件の影響,季節変動の有無,性周期の影響などについては成人についても十分に検討されていない.食事誘発性熱産生の測定では,成人では食後数時間の安静状態を追跡測定する場合が多いが,長時間の安静を子どもに維持させるのは難しい.このような視点から,測定の条件設定を行うために,10代後半の女子を対象に予備実験を行い,次のような知見を得た.1)安静時代謝率と食事誘発性熱産生の両者に夏冬間の季節変動は見られず,どの季節でも測定は可能である,2)性周期の影響は明確ではなかった,3)測定日前日の生活の統制(運動,食事,睡眠など)は日常的な範囲であれば,必ずしも厳しい統制は必要ない.4)食事誘発性熱産生の測定時間は長いほど精度が上がるが,子どもでは2〜3時間が限界である.なお,参加の同意が得られた学童を対象に適宜測定を開始している。
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