1998 Fiscal Year Annual Research Report
学齢期における肥満発症と安静時代謝率,食事誘発性熱産生との関連
Project/Area Number |
09770259
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
戸部 秀之 大阪教育大学, 教育学部, 助手 (70273745)
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Keywords | 安静時代謝率 / 食事誘発性熱産生 / 肥満 / 学齢期 |
Research Abstract |
1. 目的 本研究では学齢期の子どもを対象として,安静時代謝率や食事誘発性熱産生か肥満の発症に影響を及ぼしているかどうかについて検討した。また、安静時代謝率や食事誘発性熱産生と生活習慣との関連や、方法論の検討も行った。 2. 対象と方法 中学生女子(15名)を対象に安静時代謝率や食事誘発性熱産生の測定を行い、body mass index(BMI)や生活習慣との関連を検討した。また、測定方法の検討のために10代後半の女子を対象として、測定精度など基本的な検討を行った。 3. 結果と考察 まず、BMIと安静時代謝率の関係はr=0.91(p<0.01)で、有意な正の相関関係を示した。一方、BMIと食事誘発性熱産生には有意な関連は見られなかった。アンケート調査で得られた生活習慣などと安静時代謝率や食事誘発性熱産生との関連を見ると、間食をほぼ毎日のようにする者は、そうでない者に比べ食事誘発性熱産生が有意に低い傾向(t-test, p<0.01)が見られ、食習慣と食事誘発性熱産生との関連が示唆された。また、安静時代謝率は手足の冷え感が強い者では有意に低い傾向を示していた(t-test, p<0.01)。本研究からは、安静時代謝率や食事誘発性熱産生が測定時の肥満の程度に直接に影響するという結果は示されなかった。これには、対象グループの肥満の程度のばらつきが大きくなかったことも影響しているかもしれない。方法論の検討より、食事誘発性熱産生では誤差の影響が無視できないことも示された。本研究から得られた成果としては、特に、間食の頻度と食事誘発性熱産生に関連があることから、間食による高頻度のエネルギー摂取は食事誘発性熱産生の低下をもたらし、エネルギーを体内に蓄積しやすい状況をもたらす可能性が示された点である。
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