1997 Fiscal Year Annual Research Report
育児ストレインの構造と要因に関する研究 -よりよい育児支援にむけて-
Project/Area Number |
09770269
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
坂間 伊津美 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助手 (40285052)
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Keywords | 育児ストレス / 育児不安 / 育児支援 |
Research Abstract |
1995年に東京都内で行った調査研究により、育児上の心理的問題の中から抽出した「育児ストレイン」という概念の構造とその規定要因をさらに明らかにするため、本年度は文献調査および質問紙調査の方法で研究を実施した。 文献により、わが国における育児不安・育児ストレス等の研究を概観するとともに、欧米でのparenting stressについてレビューを行った。その結果、ソーシャルサポートやsocial interest、精神的健康度、こどもの虐待などとの関連が議論されていることが明らかになったが、日本固有の女性観、育児観の中で培われてきた育児上の問題には尺度の構成等が必ずしもそぐわないことが再認識された。 質問紙調査は、中小規模の1地方都市において、3歳以下のこどもを持つ母親450名を対象として、1998年2月5日から3月10日に郵送法で行った。315名から回答を得、回答に不備のあった3名を除いた312名を有効回答とした(有効回収率69.3%)。妻の職業状態、こどもの人数、対象児の年齢や出生順位など、対象家族の属性は、都内での調査とほぼ同様であった。現在、育児ストレインの構造について、因子分析、信頼性分析などを重ねて検討を行っている。 平成10年度は、育児ストレインの規定要因について一般化が可能であるかを検討するとともに、3歳以下のこどもを持つ母親への面接調査を行い、母親自身の生育環境と現在の支援環境を中心に質的な分析を試みることで、今後の子育て支援に向けての方向性を考察しまとめる。
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