1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09770271
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
坂村 修 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (80264711)
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Keywords | 近代化船 / 船員 / 労働負担 |
Research Abstract |
【近代化船(高度合理化船)の実態】 幾田の新機軸を盛り込み、船員制度の見直しを行って国際競争力の回復を図った外航近代化船だが、国際競争力の回復には至らなかった。以後、我が国外航海運界は国際競争力の回復策として混乗化に力を入れている。一方、若年船員の不足に悩まされる内航海運界は外航海運界で蓄積された近代化船の技術を取り入れ、内航船の近代化を推し進めつつある。この内航近代化船は船内作業の合理化を図り、将来予測される船員不足に対応することを企図している。外航近代化船と異なり、船員制度の改革は行われていない。 【近代化設備搭載船における労働負担】 この研究では近代化船乗組員の労働負担を探ることを目的としたアンケート調査を計画しているが、アンケート作成に必要な基礎資料を得るため、1997年12月に内航RO/RO船の乗船調査を行った。本船は近代化船の条件として必要な設備を概ね搭載している。この乗船調査から以下のことが得られた。 ・調査対象船の船員の平均労働時間は8〜9時間である。 ・甲板部関連合理化設備は個々の作業負担を軽減する効果があるが、設備を導入しても作業のために拘束される時間は減じていない。 ・機関部関連合理化設備のうち、機関部自動化設備は就労体制自体に大きな変化をもたらした。 ・船員の有する労働負担感はその乗船期間およびスケジュールに起因するものが主で、個々の作業を意識するものは少ない。 今後は以上の結果を踏まえてアンケートを作成し、近代化船船員の負担調査を進める。
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