1997 Fiscal Year Annual Research Report
二次医療圏を単位とした医療供給と受療行動の決定要因に関する研究
Project/Area Number |
09770273
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
谷原 真一 自治医科大学, 医学部, 助手 (40285771)
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Keywords | 二次医療圏 / 医療供給 / 入院患者数 / 地域格差 |
Research Abstract |
「平成5年患者調査」による各二次医療圏の病院入院患者推計数と医療供給因子としての一般病床数、診療所病床数、有床診療所数、無床診療所数、医師数および社会経済因子としての平均世帯人員数および65歳以上人口割合、各産業就業人口割合、人口密度、1人当たり所得の関連を検討した。社会経済因子は市町村毎に公表されているデータを二次医療圏別に人口などによる加重平均を行って再集計したものを用いた。 各因子の分布の目安として上位25パーセンタイル値と75パーセンタイル値との比をとった場合、医師数、病院一般病床数、診療所総数、無床診療所数は1.4〜1.7であった。診療所病床数、有床診療所数ではそれぞれ2.9、2.1と他より偏りが大きい傾向であった。人口10万対入院患者数については最大値と最小値の格差は約4.8倍、上位25パーセンタイル値と75パーセンタイル値との比は1.7であった。一次産業人口割合および人口密度は、上位25パーセンタイル値と75パーセンタイル値との比が医療供給因子や他の社会経済因子のそれより大きく、地域格差がより大きい傾向を示した。他の社会経済因子では上位25パーセンタイル値と75パーセンタイル値との比は医療供給因子より小さく、分布はより均一と考えた。 統計学的分析として、二次医療圏の人口あたり入院患者数を目的変数とした重回帰分析を行った。その結果、人口あたり入院患者数の変動の約70%が65歳以上人口割合、平均世帯人員数一人あたり収入、人口あたり一般病床数の4個の変数で説明可能であたっ。これは一般病床精神・結核病床を除く病院入院患者の患者住所地による二次医療圏内受療割合の全国平均71.4%とほぼ等しかった。今年度は入院患者数について断面的な検討を行ったのみであったが、次年度は医療費の分析および、時系列的な分析による検討を計画している。
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