1998 Fiscal Year Annual Research Report
成長期における骨発育に影響する要因の検討-超音波法による小児骨量評価-
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09770277
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
杉森 裕樹 昭和大学, 医学部, 助手 (20276554)
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Keywords | 学童期 / 骨密度 / 超音波法 / 乾式 |
Research Abstract |
骨粗鬆症の予防対策は,近年は成長期の骨量に着目し最大骨量(peak bone mass)を介入により高めていく,より積極的な方法に焦点が移りつつある。そこで成長期の骨量評価は重要になってくるのだが,現時点において本邦では基礎的な検討が十分為されておらず,その理由の一つに,小児骨量の評価方法が確立されていないことが挙げられる。小児骨量の測定には,簡易かつ被曝等のない非侵襲性の方法が望ましく,成人の踵骨で既に実用化されている超音波法が候補として適していると考えられる。しかし小児の踵骨は発達が未熟であり,成人の方法をそのままでは利用できないため,超音波法による小児骨量の評価方法の早急な確立が待たれていた。 そこで,平成9年度,超音波法による成長期の小児骨量評価法を確立し,暫定的に年齢階級毎の小児骨量(平均値,標準偏差)を明らかにした。平成10年度においては,これをさらに発展させ,断面研究により小児骨量の関連要因を検討した。ロジスティックモデルを用いた多変量解析では,普通骨量群に対する低骨量群の関連要因としてBMI(OR 0.87,95%CI 0.78-0.97),屋外での遊び(OR 0.52,95%CI 0.31-0.85),スポーツ活動(OR 0.58,95%CI 0.35-0.97)が有意にモデルに取り込まれた。一方,普通骨量群に対する高骨量群の関連要因としてBMI(OR l.15,95%CI 1.07-1.25)が有意にモデルに取り込まれた。今回の断面調査により,学童期の骨量と体格・屋外遊び・スポーツ活動が関連することが示された。今後,骨発育の関連要因の検討を通して,骨粗鬆症の予防に繋がる成長期の積極的な保健指導(栄養指導,運動指導等)が可能となることが期待される。
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[Publications] 杉森裕樹,正木基之,中村健一 稲葉 裕,吉田勝美: "踵骨乾式超音波法(AOSIOO)による小児骨量評価の開発と応用" 映像情報メディカル(MEDICAL). 29(8). 498-502 (1997)
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[Publications] Kitano N,Sugimori H,Nakamura K Futatsuka M,Inomoto T,Kitano T: "Association of lean mass,Fat mass,bady mass index,and skinfold thickness on bone mineral deusity of young Japanese females.-An age-control cross-secticxd study-" The Showa University Journal of Medical Science. 11(1)(印刷中). (1999)