1998 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病が創造性と自己評価に及ぼす影響と創造的活動の効果に関する基礎的研究
Project/Area Number |
09770284
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Research Institution | Osaka Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
藤原 瑞穂 大阪府立看護大学医療技術短期大学部, 助手 (90269853)
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Keywords | パーキンソン病 / 創造性 / 自己評価 / 活動 |
Research Abstract |
本研究はパーキンソン病患者(PD)への創造的活動による運動機能,認知機能,心理的機能への影響を単一システムデザイン(SSD)によって検討することを目的とした. SSDの反復測定項巨としてUnified Parkinson′s Disease Rating Scale(UPDRS)のうち,日常生活活動,神経症状,自覚・精神症状,特殊症状,またMini-Mental State Examinationのうちのword fluency,Rosenbergのself-esteem scale,S-A創造性検査A版の一部を反復測定指標として選択した. 対象は痴呆が認められない外来通院中のPD2名(76歳,女性,Hoehn-Yahr重症度III,75歳,女性,Hoehn-Yahr重症度IV)であった.8週間のベースラインを設定した後,8週間にわたり通常の薬物療法,理学療法に加え,創造的活動を付加した.具体的には患者との話し合いの結果から1名には陶芸活動を小グループで行い,もう1名にはパズル的活動をそれぞれ40分間行った.上述した指標についてPDに反復測定し,創造ら活動未実施時をA期,創造的活動を加えた時期をB期とするSSDによって検討した.Wilcoxon検定,加減速線法などによりA期とB期の得点の有意差を検討した結果,日常生活活動,運動機能障害,神経症状には有意差が認められなかったものの,UPDRSの下位項目である自覚・精神症状とself-esteem score,wordfluencyに有意な差が認められた(p<0.05). 創造的活動の付加がこれらの項目の得点の上昇に効果があったことが明らかにされた.しかし創造的活動は個人によってその意味と価値が異なることが推測され,活動を選択する際には患者との十分な話し合いと検討が必要であると考えられた.今後も症例を重ねて検討していきたい.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 藤原 瑞穂: "脳血管障害患者とパーキンソン病患者のself-esteemに関する研究" 大阪府立看護大学医療技術短期大学部紀要. 4. 37-44 (1999)
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[Publications] 藤原 瑞穂: "パーキンソン病患者の発散性思考" 神経心理学. 10・1. 59 (1998)
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[Publications] 藤原 瑞穂: "脳血管障害患者とパーキンソン病患者のSelf-Esteem" 第18回近畿作業療法学会論分集. 26-27 (1998)
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[Publications] 藤原 瑞穂: "自尊感情の経時的変化における日常生活活動の影響と機能障害との関係" 作業療法. (印刷中). (1999)