1997 Fiscal Year Annual Research Report
在宅ケアを受ける要介護老人の身体的精神的健康状態の経時的変化に関連する要因の分析
Project/Area Number |
09770290
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
石崎 達郎 (財)東京都老人総合研究所, 疫学部門, 研究員 (30246045)
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Keywords | 在宅ケア / 要介護老人 / 健康状態 / 経時的変化 / 総合的評価 |
Research Abstract |
今年度の研究では、調査対象施設の選定と経時的変化を捉えるための測定項目の選択が中心的な課題となった。調査対象施設の選定は、東京近郊の在宅訪問診療・訪問看護を行っている医療機関(1、2カ所)とし、さらに在宅ケアの導入判定や訪問に際して、医師・看護婦の他、医療ソーシャルワーカーや理学療法士、栄養士等のco-medical staffも関与している施設であることを条件とした。最終的に、埼玉県西部にある医療機関で調査協力が得られた。対象となったこの医療機関は、約15年前より訪問看護・訪問診療を行っており、二次救急医療提供医療機関でもあることから、様々な疾患を有する患者が訪問看護・訪問医療の対象となっていた。 調査項目は、在宅ケアを受けている患者の情報とその介護者に関する情報の二つに分かれる。今年度の研究において実施されたベースライン調査の結果は以下の通りである。平均年齢は患者(平成9年12月現在、のべ29名)が80.3歳(レンジ:26-95歳)、介護者(平成10年1月現在、有効回答19名)は63.1歳(レンジ:48-84歳)であった。性別は、患者の64%介護者の83%が女性であった。厚生省による寝たきり判定基準によると、25%がランクA、40%がランクB、そして33%がランクCであった。また、痴呆を有する患者は全体の30%を占めていた。医学的処置については、尿道カテーテル使用者は5名、気管カニューレ使用者は2名、在宅酸素療法施行者は1名であった。一方、介護者の生活機能は74%の者で障害が認められなかった。介護負担感は、介護を負担に思う者が約半数を占めていた。生活の質関連項目(生活の張り、生活満足度、主観的幸福感)は、その項目も7〜8割が普通と回答していた。社会的支援の状況は、手段的並びに情緒的支援を受けている者が6〜8割おり、情緒的支援を提供している者も同程度存在していた。
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