1997 Fiscal Year Annual Research Report
家庭環境中揮発性有機塩素系物質の低濃度曝露における吸収、代謝量の薬物動力学的解析
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09770291
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
吉田 敏明 大阪府立公衆衛生研究所, 労働衛生部, 研究員 (00201856)
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Keywords | 1,1,1-トリクロロエタン / トリクロロエチレン / テトラクロロエチレン / p-ジクロロベンゼン / 家庭環境 / 吸収量 / 薬物動力学 / ラット |
Research Abstract |
一般家庭の室内空気から検出される揮発性有機塩素系化合物の経気道吸収における体内動態を動物実験により薬物動力学的に解析した。一方、家庭内におけるこれらの化合物への曝露濃度を調べた。両者の結果より、揮発性有機塩素系化合物の曝露濃度レベルにおけるヒトでの吸収量を算出した。 本年度は、1,1,1-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンおよびp-ジクロロベンゼンの4物質を対象とした。閉鎖系ケージ内でラットを飼育し、一定量の各物質をケージ内に注入し気化させた。ラットにおける各物質の吸収、代謝によって減少するケージ内の物質濃度を薬物動力学的に解析し、一定濃度の各物質に単位時間曝露されたラットにおける吸収量をそれぞれ外挿した。各物質濃度1ppbに曝露されたラットにおける吸収量を算出した結果、トリクロロエチレンが最も多く(1.6nmol/hr/kg)、次いでp-ジクロロベンゼン(0.52nmol/hr/kg)、テトラクロロエチレン(0.029nmol/hr/kg)、1,1,1-トリクロロエタン(0.019nmol/hr/kg)の順であった。同じ濃度の曝露であっても、化合物によりその吸収量が異なることか示唆された。一方、大阪府下在住の5家庭の夫婦を対象とし、これら4物質への平均曝露濃度を調べた結果、p-ジクロロベンゼン3.3ppb、1,1,1-トリクロロエタン0.45ppb、トリクロロエチレン0.37ppb、テトラクロロエチレン0.29ppbであった。動物実験と実態調査の結果から、実際の曝露濃度レベルにおけるヒト(体重60kg)での一日あたりの吸収量を外挿した。p-ジクロロベンゼンの吸収量が最も多く(2456nmol)、次いでトリクロロエチレン(848nmol)であり、1,1,1-トリクロロエタンおよびテトラクロロエチレンの吸収量はこれらに比較して少なかった(ともに12nmol)。
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Research Products
(1 results)