1998 Fiscal Year Annual Research Report
抽出操作を自動化した精度管理向上に寄与する残留農薬分析方法の開発
Project/Area Number |
09770292
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
起橋 雅浩 大阪府立公衆衛生研究所, 食品衛生部, 研究員 (60250312)
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Keywords | 残留農薬 / 超臨界流体抽出 / 高速溶媒抽出装置 / 固相抽出 / 食品 / N-メチルカーバメート |
Research Abstract |
超臨界流体抽出装置による農薬分析を行った結果、アセフェート、メタミドホス等極性の高い農薬には適用できないこと、対象農産物により回収率が大きく異なることが分かった。他にも抽出後に多系統分析するには試料量が少ないことが挙げられるが、GC-FPDの測定と連動して行なえること、葉緑素を抽出しないことが利点であり、単一品種食品での単系統農薬分析に向いているといえる。 高速溶媒抽出装置(ASE)を用いて食品中の残留農薬分析を試みた。N-メチルカーバメート系農薬の分析検討段階では、HPLCでの測定を念頭に置いていたため、抽出溶媒にアセトニトリルを使用したが、GC-FPDで測定する有機リン系農薬と同時分析する為に、非水系溶媒の酢酸エチルで抽出を行った。精製にゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いた脱脂操作と、グラファイトカーボンミニカラムによる脱色素操作をオンラインで組み合わせようとしたが、GPCの流速に対応できる耐圧構造の接続ができなかった。そこでASE抽出液を脱水後ミニ力ラムを通して濃縮し、GPCを行って脱色素、脱脂した。これにより濃縮行程を増やすことなくカラム精製が行なえた。残念ながら、有機塩素系農薬等にはグラファイトカーボンカラムに強く吸着されるものがあり、酢酸エチルでは溶出されないので、この方法に適用できないものもあった。しかし、抽出及び精製を概ね自動化できたことにより、操作者が変わってもデータにばらつきがない方法となり、抽出から精製までの行程を1日で行うことができるようになった。
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