1997 Fiscal Year Annual Research Report
AIDS治療へ応用されうるHIV-Nefタンパクのシグナル伝達の分子生物学的解析
Project/Area Number |
09770315
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
井上 政広 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (00232562)
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Keywords | Nef / ephファミリー / イムノグロブリンスーパーファミリー / HIV |
Research Abstract |
eph family kinaseを数種類使い、nef遺伝子と共にco-transfectionを行いcos7のライセ-ト中のNef蛋白のチロシン残基のリン酸化を検出しようと試みたが検出出来なかった。近年、Nef蛋白質によるMHC-class I分子のダウンレギュレーションが報告されており、この分子のダウンレギュレーションがCytotoxic T cellのターゲットとしての感染細胞をCytotoxic T cellの監視より見逃すメカニズムとして脚光を浴びている。HIVは脳内のグリア細胞に感染し、エイズ脳症を起こすことが知られている。この脳症にもNef蛋白が関与しているという報告がでている。また、CD4分子がNef蛋白によってダウンレギュレーションするということは、免疫系、脳神経系に存在するスーパーイムノグロブリンファミリーが、Nef蛋白により、ダウンレギュレーションする可能性がある。又、種々のスーパーイムノグロブリンファミリーの遺伝子が欠如および、変異することにより、神経異性疾患が起ることが知られている。Nefによって脳神経系のスーパーイムノグロブリンファミリーのどれかがダウンレギュレーションすることにより、脳症が発生することを来年度一年で検討していきたい。具体的には胎児脳cDNAライブラリーよりNefに結合する蛋白をファーウエスタンブロット法にてスクリーニングし、また既知の脳内に発現しているイムノグロブリンスーパーファミリーとNef遺伝子をCo-transfectして、Nefによりダウンレギュレーションを起こすものをスクリーニングする。
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