1998 Fiscal Year Annual Research Report
全身性硬化症(強皮症)における自己抗体産生機序の解明
Project/Area Number |
09770324
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
桑名 正隆 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50245479)
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Keywords | 全身性硬化症(強皮症) / 自己免疫疾患 / 自己反応性T細胞 / 主要組織適応抗原 / 免疫トレランス / 自己抗体 / T細胞レセプター |
Research Abstract |
これまで、全身性硬化症(強皮症)患者の末梢血中に存在するトポイソメラーゼI(トポI)を認識するT細胞が強皮症の病態と関連する抗トポI抗体の産生を誘導することを明らかにした。しかし、トポI反応性T細胞は抗トポI抗体陽性の強皮症患者のみならず、特定のHLAクラスII遺伝子を有する抗トポI抗体陰性強皮症や健常人でも検出される。in vitroでのT細胞クローン株を用いた検討では、強皮症と健常人由来のトポI反応性T細胞のT細胞リセプター可変領域、サイトカイン分泌能、抗トポI抗体産生を誘導するヘルパー活性に差を認めなかった。そこで、抗トポI抗体陽性強皮症5例(I群)、以前抗トポI抗体陽性であったがその後消失した強皮症5例(II群)、健常人10例(III群)を用いて、トポI反応性T細胞の末梢血中での頻度およびin vivoでの活性化状態を検討した。限界希釈法で求めた末梢血T細胞中のトポI反応性T細胞の頻度は、I群で1/6,400-1/7,500、II群で1/18,200-1/31,500、III群で1/27,000-1754,600であり、抗トポI抗体を有する強皮症で高頻度であった。また、トポI刺激により誘導されるT細胞増殖反応のkineticsを4、5、7日目に検討したところ、I群では5日目をピークとしたのに対し、II、III群では増殖反応が得られるまで7日を要した。I群のkineticsのパターンは活性化T細胞、II、III群のパターンはmemoryまたはnaiveなT細胞のkineticsに一致していた。以上の結果から、抗トポI抗体を有する強皮症患者ではトポI反応性T細胞がin vivoですでに活性化されていることが明らかにされ、これらT細胞を活性化する抗原刺激が強皮症の病態と密接に関連すると考えられた。一方、強皮症であっても抗トポI抗体が消失してしまった症例では、健常人と同様に抗原刺激が存在しないためトポI反応性T細胞はmemoryの状態になっていることが推測された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 桑名正隆: "自己抗体産生とTh1/Th2バランス" 臨床免疫. 30・4. 461-466 (1998)
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[Publications] 桑名正隆: "膠原病診療における抗核抗体検査" 日本皮膚科学会雑誌. 108・12. 1628-1630 (1998)
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[Publications] Kameda H,Kuwana M,et al.: "Immunoglobulin allotype gene polymorphisms in systemic sclerosis" Ann Rheum Dis. 57・6. 366-370 (1998)
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[Publications] 桑名正隆: "膠原病と自己抗体" 現代医療. 31・3. 722-726 (1999)
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[Publications] Kuwana M,et al.: "Autoantibodies to RNA polymerases recognize multiple subunits and demonstrate cross-reactivity with RNA polymerase complexes" Arthritis Rheum. 42・2. 275-284 (1999)