1997 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性疾患における好酸球遊走・活性化因子受容体の発現とその調節に関する研究
Project/Area Number |
09770328
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
岸本 成史 帝京大学, 薬学部, 助手 (60234217)
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Keywords | 好酸球 / 遊走・活性化因子 / 受容体 / アトピー性疾患 / 気管支喘息 / 血小板活性化因子 / ロイコトリエンB_4 / エオタキシン |
Research Abstract |
本研究では、健常人又は気管支喘息患者の末梢血好酸球の各種遊走・活性化因子に対する応答性、および受容体の発現について調べた。 健常人末梢血好酸球の、PAF、LTB_4、5-oxoETE及びeotaxinに対する細胞内カルシウム応答について調べたところ、EC_<50>値はPAF<eotaxin=LTB_4<5-oxoETEの順で低く、PAFが最も強力なアゴニストであることがわかった。また、気管支喘息患者好酸球の細胞内カルシウム応答及び遊走反応におけるPAFのEC_<50>値は健常人好酸球でのそれに比べて低かったことから、気管支喘息患者の末梢血好酸球はPAFに対する応答性が亢進していることがわかった。また、気管支喘息患者好酸球におけるPAF受容体数及びmRNA発現量は、健常人のそれに比べ有意に増加していたことから、上記の応答性の亢進の少なくとも一部はPAF受容体の発現増加を介したものであることが強く示唆された。健常人好酸球のPAFに対する細胞内カルシウム応答及び遊走能におけるIL-5の影響について調べたところ、30分間IL-5で刺激することにより若干の応答性の亢進がみられ、12時間刺激した場合ではさらにその応答性が亢進した。このことから、IL-5による好酸球のPAFに対する応答性の亢進が短時間のプライミングの作用と受容体の発現増加の両者を介して起こる可能性が強く示唆された。同様に、LTB_4、5-oxoETE、eotaxinに対する応答性もIL-5で12時間刺激することにより亢進することが明かとなった。これらの因子に対する受容体の発現がIL-5により増加するか否かについては次年度で検討する予定である。
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