1998 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性化疾患における好酸球遊走・活性化因子受容体の発現とその調節に関する研究
Project/Area Number |
09770328
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
岸本 成史 帝京大学, 薬学部, 助手 (60234217)
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Keywords | 好酸球 / 遊走・活性化因子 / 受容体 / アトピー性疾患 / インターロイキン-S / 腫瘍壊死因子 / ロイコトリエンB_4 / 血小板活性化因子 |
Research Abstract |
本年度の研究により以下の点を明らかにした。 1. 好酸球に作用することが知られているサイトカインであるIL-5、TNF-α及びIL-16で健常人末梢血好酸球を12時間刺激した場合のPAF、LTB_4、5-oxoETE、fMLP及びeotaxinに対する細胞内カルシウム応答の変化について調べたところ、IL-16は全てのメディエーターに対する応答に対して影響が見られなかったものの、IL-5刺激では全て、またTNF-α刺激ではPAF、LTB_4、fMLP及びeotaxinに対する細胞内カルシウム応答が亢進することが明らかとなった。同様にこれらのメディエーターによる好酸球からの活性酸素の産生に対するこれらサイトカインの影響についても検討したところ、IL-5とTNF-αがPAFとfMLPによる活性酸素産生を増大させることも明らかとなった。 2. IL-5とTNF-αで同時に好酸球を刺激することによりこれらのメディエーターに対する応答は相加的に増大した。また、この作用はPAFに対する応答について最も顕著であった。 3. IL-5及びTNF-αの刺激により好酸球のPAF受容体の発現量及びmRNA量が増加し、両者の併用によってさらに相加的に増大した。この増加の割合は先の応答性の亢進のそれに近いものであったころから、これらのサイトカインによる好酸球のPAFに対する応答性の亢進はその受容体の発現増強を介して起こることが示唆された。 4. TNF-αは好中球等他の血球細胞に対してはアポトーシスを促進する因子であることが知られているが、好酸球に対しては若干寿命を延長することがわかった。すなわち、TNF-αによる応答性の亢進及びPAF受容体の発現増強はアポトーシスに起因するものではないことが確認された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Seishi Kishimoto: "Comparison of platelet-activating factor reccptor in RNA levels in peripheral blood cosinophils from normal subjects and atopic asthmatic patients." Int.Arch.Allergy Immunol.114. 60-63 (1997)
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[Publications] 岸本 成史: "好酸球におけるPAF受容体の発現調節" アレルギー科. 5. 310-316 (1998)