1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09770338
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
朝倉 徹 東北大学, 医学部, 助手 (20272023)
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Keywords | 膵癌 / uPA / uPAR / 浸潤 / in situ Hybridization |
Research Abstract |
1.免疫組織化学的検討:膵管癌24例(手術標本18例、剖検標本6例)粘液産生膵腫瘍13例、慢性膵炎8例の病変部と正常膵組織6例の各組織を4%PFA固定し、パラフィン包埋切片を作成した。一次抗体にはマウス抗ヒトu-PA抗#394、マウス抗ヒトu-PAR抗体#3936 (American Diagnosica)を使用、染色はSABによる間接酵素抗体法で行った。正常膵では、小葉間導管〜細膵管の上皮に弱〜中等度のu-PA、u-RAP免疫活性を認めた。慢性膵炎では拡張膵管の過形成上皮にu-PA、u-PARの発現を認めた他、間質細胞にもu-PAの免疫活性が軽度発現していた。粘液産生膵腫瘍と膵管癌におけるu-PA免疫活性は、高〜低分化型腺癌で癌細胞に弱〜中等度の発現を示し、間質にも70%に軽度の発現を認めた。u-PARは主に上皮細胞に発現し、60%で中等度以上の染色性を示した。それ対し、間質系には30%に軽度の発現を示したのみであった。2. In Situ Hybridization :膵管癌8例、粘液産生膵腫瘍3例、慢性膵炎3例の病変部と正常組織4例について、u-PAR mRNAの発現を検討した。プローブはu-PAR cDNAの333base (GeneBank, W25277)をプラスミドベクターpT3T7DのMCSに組み入れ、in vitro transcriptionによりジゴキシゲニン標識RNAプローブを作成した。正常膵では、10〜20%の細膵管にmRNAの発現を認めた。粘液産生膵腫瘍では20〜30%の過形成〜腺腫上皮に発現していた。慢性膵炎ではほとんど認めなかった。癌では40〜50%で上皮にmRNAが発現していたが、間質細胞には、10%以下に留まった。以上より癌細胞はu-PARを発現し浸潤と関わっている可能性が考えられた。
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