1997 Fiscal Year Annual Research Report
免疫学的機序による胆管炎のメカニズムの解明-動物モデルによるアプローチ
Project/Area Number |
09770339
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上野 義之 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (70282126)
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Keywords | 胆管上皮細胞 / apoptosis / Fas / GVHD |
Research Abstract |
マウス胆管炎の動物モデルとして確立されたGVHDモデルを用い,in vitroで胆管炎を起こしているリンパ球による細胞障害が,Fas system によるapoptosisによるものかどうかを,本研究者らが確立した正常胆管上皮細胞(IBDEC)を用いて検討した.1.方法としては,(1)IBDECがFasに感受性があるかを,agonistic anti-Fas Ab (Jo2)を使用したCr release assayによる検討,(2)もし感受性がある場合,インターフェロンγ(IFNγ)により感受性が増幅されるかの検討,(3)GVHDマウスの肝浸潤リンパ球を分離し,in vitro cytotoxicity assayの系を確立した上で,上記のFasによる細胞障害が,いかにGVHDにおける胆管障害に関与しているかをFasにたいして抑制的に働くFas-Fcを使用して検討した.2.結果(1) agonistic抗Fas抗体添加により濃度依存性にIBDECは障害された.IFNγはagonistic抗Fas抗体添加による細胞障害性を最大67.3%増強した.(2)GVHDリンパ球により,E : T比の濃度依存性にIBDECは障害された.(3)細胞障害性は,Fas systemに対して抑制的に働くFas-Fc添加により抑制された.3.結論(1)IBDECがFasに対する細胞死に感受性があることを示した.(2)マウスGVHDにおける胆管障害にFas systemが関与していることをin vitro系で示した.
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[Publications] 上野義之: "胆管上皮細胞の細胞死のメカニズム-apoptosisは関係するのか?" 肝臓. 38S (1). 194- (1997)
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[Publications] Y. Ueno: "In Vitro evidence that cholangiocytes are susceptible for Fas-induced apoptosis" Hepatology. 26. 396A- (1997)