1998 Fiscal Year Annual Research Report
原発性胆汁性肝硬変における HLA DR8 結合ペプチド、標的抗原ペプチドの解析
Project/Area Number |
09770361
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
岩崎 信二 高知医科大学, 医学部, 助手 (10232654)
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Keywords | 原発性胆汁性肝硬変 / pyruvate dehydrogenase |
Research Abstract |
原発性胆汁性肝硬変(PBC)に特徴的な抗ミトコンコンドリア抗体の対応抗原であるpyruvate dehydrogenase(PDH)の細胞性免疫について検討した。 PDH-E2 componentのcDNAをヒト肝臓より作成し、pREP4にクローニングした。EB virus transformed B cellは患者PBMCをcyclosporin存在下にEB virus産生B95-8とともに培養し3週間培養して作成した。pREP4-PDHE2をEB virus transformed B cellに導入(EBtr-E2)、mRNA、タンパク発現はdotblot、immunoprecipitationにてそれぞれ確認した。 PDH uptake効率を高めるため、PDH抗体産生B細胞をクローニングした。抗原提示能は、少数のPBC患者においてautologousの系で非分画PBMCに比し有意に上昇を認めた。EBtr-E2はさらに、57Cr release assayの標的細胞として用い、患者auto-PBMCのkilling activityを検討した。コントロールと比し患者PBMCのkilling activityは高く、EBVタンパクに対する反応を除外する必要があるものの、有意な結果を得た。また、PBMCをIL-2存在下にPDHと培養後ではkiller activityが増強した。以上より、EBtr-E2は、PDHのT-cell epitopeをclass Iおよびclass IIと共にligandとして発現している可能性が示唆された。 次にHLA-class I,class IIに結合する抗原peptideの解析を行った。EBVtr-B cellはNP-40でlyseし、抗HLA-DRまたは抗HLA class I affinity chromatographyで精製したHLA、またはacid elutionで抽出した膜蛋白を用い従来の方法に従って、reverse-phase HPLCによりpeptideを分離精製し、アミノ酸シークエンサーにて解析を行った。PDC-E2 peptideは現時点で得られていないが、今後継続し結合能の解析を行う予定である。
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