1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09770395
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
松崎 恒一 関西医科大学, 医学部, 講師 (70278638)
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Keywords | TGF-B / TGF-B受容体 / Smad |
Research Abstract |
TGF β(Transforming Growth Factor-beta)は、細胞増殖促進活性を抑制し、細胞外マトリックス蛋白の産生を促すことが報告されている。また肝癌細胞では、TGF βを代表とする細胞増殖抑制因子による制御が、不十分であり、このことが癌における自律的増殖性に深く関与している。更に、細胞外マトリックスは、癌の浸潤、転移、走化性に影響を及ぼしている。肝癌細胞におけるTGF βの不応性は、種々の癌細胞においてTGF βのシグナル伝達機構に異常を来していることを示す。実際、TGF β受容体のミスマッチ修復が、一部消火器癌に認められている。しかしながら、そのような肝癌細胞においてTGF βの細胞外マトリックスの産生性に関する報告は無い。そこで今回我々は、TGF βが、肝癌細胞においてその病態の形成と進展にどのように関与しており、またそれがどういう機構によって起こっているか調べるために以下の実験を行うことを考案した。 I.TGF βの初代培養肝細胞並びに伊東細胞における生物活性の解析 1.^3H-Thymidineの取り込みによるDNA合成能の解析 2.^<14>C-Prolineの取り込みによるcollagen合成能の評価 3.ファイブロネクチン蛋白産生能の解析 4.PAI-1転写のルシフェラーゼ活性を用いた肝線維化能の解析 II.初代培養肝細胞並びに伊東細胞におけるTGF βシグナル伝達の解析 1.TGF β受容体,Smad(受容体の下流に位置するシグナル伝達物質)mRNAの定量 2.^<125>I-TGF βを用いたradioreceptor assay 3.Smadのリン酸化能 4.各種培養細胞および障害肝組織中での抗Smad抗体を用いた免疫組織化学染色
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