1998 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性肺疾患とヒト好中球細胞内pHを調節するNa^+/H^+Exchangerの役割
Project/Area Number |
09770407
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福島 健泰 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (30218911)
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Keywords | インフルエンザワクチン / 高齢者 / ツベルクリン皮膚反応 / 肺炎 / 免疫能 |
Research Abstract |
炎症性肺疾患、高齢者の免疫能の評価を簡単に施行し、治療につなげることをこの研究の目的とした。高齢者の寿命、予後に影響する疾患として感染症と悪性腫瘍を挙げることができる。老年者は一般に感染症に罹患しやすく、重症化しやすいと言われている。実際、毎年冬期には老人施設内においてインフルエンザが数多く老人の命を奪っている。なぜ老人ではインフルエンザが致死的となり、若年者では一過性の疾病として2〜3日で治癒してしまうのか不明である。高齢者では外来から生体内へ侵入してくる病原微生物に対する反応、いわゆる免疫能が低下していると考えられる。また、老年病の中でも悪性腫瘍はわが国における死因の第一位を占め、多くの悪性腫瘍は加齢と共に発生してくる非自己の細胞(腫瘍細胞)を自己から識別し排除する機構、即ち、腫瘍免疫が高齢者では低下していると推察される。従来、基礎的免疫学の観点でin vitroの実験でリンパ球、NK cellの活性、特定の刺激による抗体産生能などを測定したstudyは存在するが、ある一定の傾向は存在せず(Science.,1996,273;70-74)、実際の高齢者医療現場にそくしたin臨床のstudyはほとんど行われていないのが現状である。これから高齢化社会を迎えるにあたり、低コストでの高齢者の免疫能評価方法の確立が望まれている。 以上より、このプロジェクトでは、老化にともなう高齢者の生体内の変化、即ち高齢者各個人の体の抵抗力、力強さを免疫能の観点から簡単に測定できる評価方法を確立することを目的とする。我々は、一般臨床の現場で働いている立場からできるだけ簡易にベッドサイドで施行でき、また、どこの施設においても行うことができ、高齢者に負担のかけない方法を用い、高齢者個々の力を評価し、予後や治療効果の予測を行いたいと考えている。 簡易な方法で老人の体全体としての生体防御の力、いわゆる゙体の抵抗力″を評価するパラメーターとして下記の三項目を設定する。 (I) インフルエンザワクチン接種に対する抗体産生能評価 (II) ツベルクリン反応(遅延型皮膚反応-DTH) (III) 末梢血中CD4陽性リンパ球の絶対数 現在まで得られた結果を説明する。まずADL(activity of dairy living)の低下している高齢者では、細胞免疫能(DTH皮膚反応)が低下しており、末梢血のTh1細胞が低下していることがわかった。この結果は、J.Am.Geriatr.Soc.に受理され、現在inpress中である。又、若年者、健常高齢者、ADLの悪い高齢者間においてインフルエンザワクチンに対する抗体上昇能は、差がないことも証明することができた(Archives fo Internal Medicine,in press)、現在、DHT皮膚反応と肺炎との関連を調査した前向きstudyの結果を投稿中であり、インフルエンザワクチンの有効性についての研究も同様に他誌へに投稿済である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takeyasu Fukushima et al.: "Depression of T Helper-1 and Tuberculin Responses in Elderly Bed Boud Patients." J.Am.Geriatr.Soc.,. (in press).
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[Publications] Takeyasu Fukushima et al.: "Influenza vaccination in bedridden patients." Archives of Internal Medicine. (in press).