1997 Fiscal Year Annual Research Report
混合ガス曝露による肺線維症モデルの確立と同モデルの分子生物学的解析
Project/Area Number |
09770408
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石井 幸雄 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (80272194)
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Keywords | 肺線維症 / オゾン / 二酸化チッ素(NO_2) / TNF-α / TGF-β / MIP-2 / NF-kB / ラット |
Research Abstract |
Sprague-Dawley(SD)ラットに0.4ppmオゾン及び7ppm二酸化窒素の混合ガスを連続曝露することにより曝露90日に肺胞腔の虚脱と隔壁の線維化を認める緩徐な肺線維症モデルを作成し得た。同モデルを用い、曝露1、3、8、15、30、45、60、75、90日の各時点で早期病変の解析を行った。気管支肺洗浄液中の好中球数および同液中のアルブミン濃度は曝露1〜7日で対照群に比し有意な増加を認めたが、8日以降は対照群と同様の値に復した。肺のコラーゲン含量の指標としてのヒドロキシプロリン量は曝露30日までは対照群と同等であったが曝露60日以降は対照群の1.5〜2倍に増加していた。TNF-αは曝露1日に強い発現を認め、60日以降再び発現の増強を認める二相性の変化であった。TGF-βの発現は未刺激時にもconstitutiveに認められたが曝露60日頃より発現が増強した。好中球遊走因子であるMIP-2の発現は曝露1日でのみ増加が見られ、好中球数の変化と一致した。核内転写調節因子であるNF-kBの活性化は曝露1日〜3日、および60〜90日の肺組織で認められ、2相性の変化であった。以上より同モデルにおいては曝露1週間以内に起こる急性肺傷害と曝露60日以降に起こる線維化という2つの変化が経時的に出現する。これらの病態出現にTNF-α、NF-kBの二相性の発現、および活性化は重要と考えられるが、その機序については現在検討中である。また、同モデルでは曝露15〜45日では形態的にも、分子、細胞レベルでもサイレントな状態であり、適応という観点より抗酸化酵素等の活性化とその破綻について調べている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ishii-y, 他: "Cloning of rat eotaxin : ozone-inhalation increases in RNA and protein expression in the lecngs of BN rats" American Journal of Physiology. (in press). (1998)
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[Publications] Ishii-y, 他: "Elimination of neutrophis by apoptosis during the resolution of Acute pulmasary intlammotion in rats" Lung. (in press). (1997)
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[Publications] Ishii-y, 他: "Rat alveolar macrophage cytokine production and regulation of neutrophil recruitinent following acute ozone exposure" Toxicology and Applied Pharmacology. 147. 214-223 (1997)