1997 Fiscal Year Annual Research Report
気管支喘息におけるTrichophytonの関与についての研究-抗真菌薬治療の検討を含めて-
Project/Area Number |
09770413
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
新實 彰男 京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (30252513)
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Keywords | Trichophyton / 白癬 / 気管支喘息 / 抗真菌薬 / 感作 / 重症難治性喘息 |
Research Abstract |
1.白癬合併喘息に関するpilot study 研究代表者の担当する外来喘息患者の一部を対象に白癬合併の有無を検討した。その結果8例の足あるいは爪白癬合併例を見い出した。いずれも高用量吸入ステロイド薬を投与しても十分にコントロールできない全身ステロイド薬依存性の重症難治例であった。この8症例に白癬の治療目的で経口抗真菌薬itraconazole(ITCZ)150mgを投与したところ、全例で足・爪白癬の著明な改善が得られたが、うち3例では喘息症状やピークフロー値も明らかに改善し全身ステロイド薬を減量することができた。8週間のITCZ投与終了後も現在まで1年以上にわたって良好な状態を保っており、全身ステロイド薬は減量したまま経過している。特にこのうちの1例では、劇的ともいえる自覚症状、生活の質の改善を維持している。以上より、気管支喘息におけるTrichophyton感染の関与および抗真菌薬による治療の可能性が示唆された。 2.喘息患者における白癬合併頻度およびTrichophytonに対する感作の頻度の検討 喘息患者における白癬感染の合併やTrichophytonへの感作の頻度を明らかにする。感染や感作の有無と患者の重症度、ステロイド投与歴などとの関連を検討し、感染や感作を生ずる背景因子を明らかにする。白癬感染合併例では喘息、白癬の両者の発症時期と経過を詳細に問診し、両者の因果関係の解明を目指す。上記を目的として、研究代表者の担当する外来の全喘息患者を対象に研究を開始した。白癬の診断は、まず白癬疑診例をスクリーミングした後に、Trichophytonの鏡検および分離培養を含めた確定診断を京都大学医学部附属病院皮膚科の専門医に依頼する。Trichophytonへの感作の有無は、特異IgE抗体価の測定と抗原皮内反応により評価する。以上の検討を現在継続中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Akio Niimi et.al.: "Serum eosinophil cationic protein as a marker of eosinophilic inflammation in asthma" Clinical and Experimental Allergy. 28(2). 233-240 (1998)
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[Publications] Akio Niimi et al.: "Eosinophilic inflammation in cough variant asthma" European Respiratory Journal. (in press). (1998)
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[Publications] Akio Niimi et al.: "Nou-asthmatic seasonal cough in an atopic subject:Successful treatment with specific immunotherapy" Journal of Japanese society for Bronchology. 19(7). 527-530 (1997)
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[Publications] Eisaku Tanaka et al.: "Yield of computed tomography and breuchoscopy for the diagnosis of Mycopacterium avium complex pulmonary disease" American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine. 155. 2041-2046 (1997)
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[Publications] 鈴木克洋, 他: "Mycopacteria Grauth Indicator Tube(MGIT)による結核菌の迅速薬剤感受性検査" 結核. 72(4). 187-192 (1997)