1997 Fiscal Year Annual Research Report
肺小細胞癌と脳神経組織のHuD抗原に対する生体免疫応答の交差性に関する研究
Project/Area Number |
09770425
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
大和田 明彦 順天堂大学, 医学部, 助手 (80233295)
|
Keywords | 肺小細胞癌 / DNAワクチン / HuD抗原 / 抗腫瘍免疫 |
Research Abstract |
本研究の目的は、HuD抗原遺伝子DNAワクチン法により賦活化される液性免疫(抗体産生)と細胞性免疫(細胞障害性T細胞)が、肺小細胞癌組織および正常脳神経組織に対してどのように作用するか、腫瘍移植実験動物モデルで評価し、肺小細胞癌(ここではHuD抗原発現細胞株を用いる)と神経細胞に対する免疫応答の交差性を検討することにある. 本年度は、HuD抗原遺伝子発現プラスミドの作製およびHuD抗原発現マウス細胞株を確立した.すなわち、HuD抗原cDNAをBALB/cマウス正常脳より得られたRNAからRT-PCR法を用いて取得し、哺乳類細胞発現プラスミドに挿入し、HuD抗原遺伝子発現プラスミドを作製した。塩基配列の確認および抗HuD抗原抗血清を一次抗体として用いたウヱスタンブロット法で、in vitroでHuD抗原の発現を確認した.次に、このHuD抗原遺伝子発現プラスミドをマウス由来大腸癌細胞株colon26に遺伝子導入し、G418で選別し、肺小細胞癌のモデル細胞であるHuD抗原発現マウス細胞株を確立した. さらに予備実験としてHuD抗原遺伝子DNAワクチン法による抗腫瘍免疫の実験を行った.すなわち、HuD抗原遺伝子発現プラスミドを1回100μg、2週間毎3回、BALB/cマウス(5週齢メス)に筋注し、抗HuD抗原免疫応答の賦活化を促す.プラスミドの最終投与より1週間後にHuD抗原発現マウス細胞株と非発現細胞(colon26親株)を一定細胞数、左右の側腹部に個々に皮下注射し皮下腫瘍の発育を比較した.HuD抗原遺伝子発現プラスミド投与群は、コントロールプラスミド投与群に比して、HuD抗原発現マウス細胞皮下腫瘍の発育を有意に抑制した.次年度、抗腫瘍実験の例数を増やすとともに神経組織に対する免疫応答の評価を行う予定である.
|