1998 Fiscal Year Annual Research Report
運動異常症の発生機構に関する行動学的・免疫細胞化学的研究
Project/Area Number |
09770458
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
三輪 英人 順天堂大学, 医学部, 講師 (50231626)
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Keywords | Parkinsonism / c-fos / Globus Pallidus |
Research Abstract |
大脳基底核の解剖学的または生理学的研究成果は、従来からtracerを用いた投射線維結合の検討、及びunit recordingを用いた神経細胞活動と行動課題の関連を検討するなどの古典的手法によって得られることが通常であった。近年、最初期遺伝子c-fos及びその関連遺伝子の発現が、神経細胞の活動状況を反映していることが明らかにされ、neurnal activation mappingの手法として生理学的に応用されるようになった。すでに、われわれは、疾患モデル動物におけるc-fosの発現を分析することによって、異常運動の病態解明に寄与しうる大脳基底核の神経機構に関する新たな知見を報告してきた。 パーキンソン病の病態を考慮した場合、視床下核の活動が過剰になることが重要である考えられているが、その機序としては淡蒼球外節から視床下核に至る抑制性の投射系が活動低下するためであろうと推定されている。しかし、一方で、パーキンソニズムにおいて淡蒼球外節の活動が必ずしも低下していないという新たな知見も出され、淡蒼球外節及び視床下核の活動が異常運動発現の病態にいかに関連しているのかいう問題に関しての再評価の必要性も提起されている)。われわれは、淡蒼球外節の機能と異常運動発現の病態との関連について特に注目し行動学的・生理学的見地から解析を行っており、視床下核の過剰興奮は単に淡蒼球外節からの脱抑制のためではないという注目すべき実験結果を得て既に報告している(Miwa et al.,1998)。 現在、視床下核への興奮性入力が重要である事に注目して検証を続けている。 (Miwa H,et al,Brain Research 781(1998)268-274)
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