1997 Fiscal Year Annual Research Report
感覚刺激により中枢で発現抑制される新奇膜蛋白質の高次脳機能獲得における役割
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09770469
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
時田 義人 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 研究員 (50291175)
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Keywords | バレル構造 / EGF-module / transgenic mice / Neuroglycan C / 体性感覚野 / 発達障害 / 感覚情報処理 |
Research Abstract |
発達期の齧歯類の大脳皮質体性感覚野においてヒゲからの入力を受ける領域に見られる脳地図(Whisker Barrel)の内部で発現抑制され隔壁に発現が見られるNeuroglycanC(NGC)を強制発現させたTransgenic Mouseを作製する目的で以下の実験を行った。 まず、神経系に特異的に発現していることが知られているNeuron Specific Enolase、Necdinの二種類の分子の発現調節領にNGCおよび、ポリA付加シグナルを結合させたトランスジェニックマウス用のベクターを作製した。次に発現効率等の確認のためβ-ガラクトシダーゼの遺伝子をこれらの発現調節領につなぎ神経細胞由来株化細胞であるNeuro2a、NCB-20、マウス神経細胞の初代培養細胞に導入した。その結果、Necdinのプロモーターを用いた場合のみプロモタ-活性が確認できた。そこで、Necdinのプロモーターを用いたトランスジェニックベクターをマウス受精卵にインジェクションしトランスジェニックマウスを作製した。64匹のF1マウスを得た、それぞれの個体から染色体遺伝子を単離しサザンブロット解析を行った。その結果24匹の個体に遺伝子が挿入されていることを確認した。また、同時に行ったβ-ガラクトシダーゼの遺伝子を導入したトランスジェニックマウスも54匹中16匹に遺伝子挿入が確認出来た。 現在そのマウスを繁殖させ今後の解析に備えている。またさらにNeurofilament Light chainのプロモーターを用いてNGCを強制発現させるトランスジェニックマウスも作成中である。
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[Publications] Atsuhiko Oohira et al.: "Transmembrane Chondroitin Sulfate Proteoglycans in the Developing Brain" Connective Tissue. 30(in press). (1998)
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[Publications] 時田義人、大平敦彦: "脳における情報伝達(神経機能素子と粗過程)" 共立出版, 4 (1997)