1998 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシスによる心筋細胞の電気生理的特性の変化の検討
Project/Area Number |
09770480
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
安井 健二 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (70283471)
|
Keywords | アポトーシス / 心筋細胞 |
Research Abstract |
中間報告書のごとく、1)成熟ラット培養心室筋細胞の実験では、アポトーシス誘発物質であるスフィンゴシンにより処理した細胞ではL-type Ca電流が有意に抑制された。その電流密度は、コントロールで、5.7pA/pF,スフィンゴシン1μMで2.9pA/pF、3μMで2.7p,A/pF、10μMで2.4pA/pFであり、電流量も容量依存的に減少をきたし、アポトーシス細胞では心筋収縮に重要な役割を果たす細胞外からのCa流入が傷害をうける事が判明した。 2)新生児ラット培養心室筋細胞を用いた実験では、Cell-cell interactionが心筋細胞のアポトーシスの抑制に関わっていることを解明した。以下に詳細を記載する。 TUNEL法によるアポトーシス発生率は、培養細胞密度がconfluentの場合低く、sparseの場合高率である。まず培養液をconfluentの培養液で置換すると、アポトーシスが抑制される点から、培養細胞から分泌される未知の因子が、自身の生存を維持させる可能性が判明した。次にgap junctionを介する細胞間のコミュニケーションがアポトーシス抑制に働く可能性を調べるため、コネキシン43のantisenseによる検討を行った。Antisense群ではコネキシン43蛋白の発現は70%ほどに抑制されることを、Westernブロットで確認した。免疫組織染色では、コネキシン43蛋白発現が抑制された細胞でTUNEL法陽性の細胞が多かった。以上より、Gapjunctionおよび細胞から分泌される液性因子の両者の系を介して、Cell-cell interactinが心筋細胞の生存に大きな役割を果たしていることが判明した。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Kenji YASUI et al.: "L-TYPE Ca^<2+> Current in Sphingosine-treated Cultured Rat Ventricular Myocytes" Environmental Medicine. 42・1. 26-29 (1998)
-
[Publications] Kenji YASUI et al.: "Cell-Cell Interaction Inhibits Apoptosis of Cultured Myocytes" Journal of Molecular and Cellular Cardiology. 30・11. A302 (1998)
-
[Publications] Kenji YASUI et al.: "Expression of Bcl-2 and Bax Proteins in Cultured Neonatal Cardiac Myocytes" Environmental Medicine. 41・1. 63-64 (1997)
-
[Publications] 安井 健二: "循環器とアポトーシス" 循環器専門医. 5・2. 351-358 (1997)