1997 Fiscal Year Annual Research Report
心筋筋小胞体Triadinの機能解明とカルセクエストリン遺伝子の構造解析
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09770490
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
矢野 健一 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (60230281)
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Keywords | triadin / Calsequestrin / 心筋小胞体 |
Research Abstract |
(1)圧負荷肥大心におけるtriadinの変化:Rabbitにおける圧負荷肥大心モデル作成の技術的困難からRatを用いた肥大心作成モデルを使用することにした.Ratのtriadin核酸配列は知られていないのでrabbit triadinの3つのisoformに共通な部分の核酸配列からPCRによりrat triadin cDNAを合成した.次に、このcDNAをprobeとしてrat cDNA jibraryをscreeningしたところ、3個のpositive clonesを抽出した(clone1,clone2,clone3).1.1kbのclone1とclone2は核酸配列から同一cDNAであり、rabbit triadin cDNAやヒトtriadin cDNAと高い相同性を有することからrat triadin cDNAと断定した.clone3は2.7kbとclone1に比べ長く、3'側はrabbit tradinと高い相同性を有するが、5'側は長いuntranslated regionが存在していた.以上より、ratにおいては少なくとも2つのisoformが存在していると考えられた.現在、full-length cDNAを得るために5'RACEおよび3'RACEを実施している.またclone1およびclone3をprobeとしてRNAの発現をNorthern blottingで検討したところ、clone3の発現は強いがcone1の発現はNorthern blottingでは検出できなかった.圧負荷肥大心モデルの検討前にisoformによる発現変化の検討が必要と考え現在検討中である. (2)Calsequestrin(CS)遺伝子の解析に関する研究結果:Rabbit genomic libraryをscreeningした結果6個の異なるpositive cloneを得、3個は制限地図とSouthern blottingにより解析し、遺伝子内のExonの分布を決定した。一方、他の3個のClonesについては、primerを用いてExon-Intron境界を明らかにした。心筋小胞体CS遺伝子のExonの分布は、白筋小胞体CS遺伝子のExonの分布に近似していた。また、Exon2、3、4、5、6、7、8、9、10の大きさは、各々87bp、98bp、111bp、74bp、131bp、46bp、55bp、101bp、75bpで白筋小胞体CS遺伝子と同じ大きさであった。しかしながら、Exon1については、本年は見つけることができなかった。libraryについては数種類のものを用いたがExon1の抽出は出来なかった。screeningの効率を上げるために、現在、PCRにより、Exon1の部分のみを増幅したprobeを作製しscreening中である。今後、心臓のSRのCS遺伝子の5'領域について制限地図とsequenceによって詳細に解析する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kenichi Yano and Angel Zarain-Herzberg: "STRUCTURAL ORGANIZATION OF THE RABBIT CARDIAC SR CALSEQUESTRIN GENE" J.Biol.Chem.Suppl.170. 235 (1993)
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[Publications] Yano,K.,Zarain-Herzberg,A.: "Sarcoplasmic reticulum calsequestrin:Structural and functional characteristics." Mol.Cell.Biochem.135. 61-70 (1994)
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[Publications] 矢野健一、牧野直樹、矢永尚士: "ウサギ心筋小胞体(SR)カルセクエストリン(CS)遺伝子の構造。" jap.Cir.J.Suppl.60. 456 (1996)