1997 Fiscal Year Annual Research Report
ヘムオキシゲナーゼ過剰発現マウスを用いた血管再構築での一酸化炭素の意義解明
Project/Area Number |
09770496
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
盛田 俊介 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (60286094)
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Keywords | 血管再構築 / ヘム・オキシゲナーゼ / 一酸化炭素 |
Research Abstract |
食生活の欧米化に伴う生活習慣病としての高血圧,糖尿病の増加は大きな社会問題化している.これら疾患患者の治療の成否は臓器障害の予防にかかっているが,この臓器障害に共通する病態に血管再構築が存在する.本研究の目的は,この血管再構築における血管平滑筋細胞由来一酸化炭素の意義を解明することである.一酸化炭素は生体内でHeme Oxygenase(HO)により生成される。HOには、誘導型のHO-1、構成型のHO-2の2つのアイソフォームが存在する。そこで、本研究では一酸化炭素の意義を解明するための手段としての誘導型HO-1過剰発現マウスの樹立を目指す.本研究では,二種類の遺伝子の作成に着手している。一方は、血管特異的に発現が期待されるET-1遺伝子プロモーターの下流にテトラサイクリントランスアクチベタ-を結合した遺伝子である。他方はテトラサイクリンの非存在下でのみテトラサイクリントランスアクチベタ-蛋白を結合するテトラサイクリンオペレーター配列の下流に、サイトメガロウイルスのプロモーターを結合し、さらにその下流にHO-1遺伝子を結合したものである。現在のところ、これらコンストラクトを培養細胞にトランスフェクトし、その発現の確認作業を実行している最中である。今後、これら蛋白の発現が確認され次第、発生工学的手法により二種類のトランスジェニックマウスを樹立し、これらの交配により目的である血管特異的に、さらに時間特異的に発現調節が可能なHO-1過剰発現マウスの樹立が期待できる。
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