1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09770509
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
土屋 昌史 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20236912)
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Keywords | 心筋細胞膜蛋白 / 自己免疫抗体 / 心筋症 / 免疫組織染色 / アクチン |
Research Abstract |
心筋細胞膜蛋白に対する自己免疫抗体が心筋障害さらに心不全の原因の一つに成りうることが考えられている。感染症後生じる変性膜タンパクやウイルス蛋白は心筋細胞膜蛋白との構造的類似性をもつため、心筋細胞膜蛋白が抗原性を有するようになり得ると推測されている。このことを明らかにするため本年度はヒト血清中に心筋抽出蛋白に対する抗体が存在するか検討を行った。 拡張型心筋症、心臓障害を持たない健常人血清を採取、実験時まで凍結保存した。 心筋構造蛋白を同定するためのスクリーニングを行うため、正常ラット、ラビット、マウスより心臓を摘出し組織標本の作成、一次抗体としてヒト血清、二次抗体に抗ヒトIgG(Cappel)を用いた免疫組織学的な解析を行った。またtriton-x抽出による心筋蛋白の抽出を行い同様の系を用いたウェスタンブロット法解析を行った。 心筋症患者3例中1例でラビット、ラット、マウス心筋蛋白の分子量60k、25k付近に抗体陽性をしめすバンドが出現した。また他1例では心筋蛋白に対しては抗体陽性を認めなかったが、骨格筋抽出蛋白の分子量20k30k付近に抗体陽性を認めた。健常人3例で心筋抽出蛋白に対しては抗体陽性を認めなかったが、1例で骨格筋抽出蛋白にたいし同様の抗体陽性を認めた。 免疫組織学的な検討では心臓全体に免疫反応が生じ、蛋白の同定および疾患による差異を検討することは出来なかった。 次年度はさらに例数、疾患例を増やすとともに、これら蛋白の同定を精製蛋白を用いたELISA法などにより検討を行う予定である。
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