1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09770543
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
多屋 馨子 (田中 馨子) 大阪大学, 医学部, 助手 (80263276)
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Keywords | HHV-7 / HHV-6 / 異型リンパ球 / HLADR^+ / CD8^+ / 突発性発疹 |
Research Abstract |
26名の突発性発疹患児のうち9名がHHV-7によるもの(うち3名はHHV-6未感染)、17名がHHV-6によるものであることを、ウイルス分離、抗HHV-6,HHV-7抗体価の測定により診断した。26名の臨床症状は全例典型的な突発性発疹で、痙攣などの合併を認めた患児は存在しなかった。HHV-7による突発性発疹の平均罹患年齢は17.8ヶ月、HHV-6による突発性発疹は10.9ヶ月であった。末梢血液像の結果から、HHV-7による突発性発疹の急性期(発疹期)では異型リンパ球が平均20.5%と有意に増加していることが判明した。一方、HHV-6による場合は、平均9.8%であった。細胞表面マーカーの解析によりHHV-7による突発性発疹急性期に16.7%と増加していたHLADR+CD8+T細胞は回復期には1.4%に減少していた。CD3+NKH1+細胞およびCD2+CD4+細胞の割合は不変であった。異型リンパ球と考えられる細胞集団の表面マーカーはHLADR+CD8+T細胞が54.2%であった。一方、CD3+NKH1+細胞は0.45%、CD2+CD4+細胞は9.66%と少数であった。 臨床的にHHV-6とHHV-7による突発性発疹の病態の相違を見つけることが困難であるため、HHV-7の方がHHV-6より発症年齢が遅いという事実と、末梢血液像の違いから急性期にいずれによるものかの推察が可能であった。増加している異型リンパ球の細胞表面マーカーの解析結果からEpstein-Barrウイルス感染時に末梢血中に増加している異型リンパ球と同様HHV-7による突発性発疹の急性期に出現している異型リンパ球もHLADR+CD8+T細胞が有意であった。
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