1998 Fiscal Year Annual Research Report
骨成長および代謝性骨疾患におけるα_vインテグリン類の破骨細胞形成に及ぼす重要性
Project/Area Number |
09770548
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
井上 勝 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (20253023)
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Keywords | 破骨細胞 / α_vβ_3インテグリン / α_vβ_5インテグリン / IGF-I / IGFBP-3 / 非荷重 |
Research Abstract |
破骨細胞前駆細胞をST-2細胞と共培養すると破骨細胞に分化する。この過程において、α_v関連インテグリン類のmRNAの発現を調べると、当初β_5インテグリンが優位で、β_3インテグリンは認められないが、破骨細胞形成に従ってβ_5インテグリンは減少し、β_3インテグリンが出現、増加することが著者らの検討により明らかとなっている。そこでinvivo、in vitroにおいて破骨細胞形成を刺激する可能性のある1nsulin-like growth factor(IGF)-I.IGF-I/IGF binding protein(BP)-3複合体の効果を検討したところIGF-IもしくはIGF-1/IGFBP-3はともにTRAP陽性細胞数を増加させたが、β_3、β_5インテグリンには明らかな変化を示さなかった。さらに、非荷重により骨量減少を起こすことが明らかとなっている尾部懸垂ラットにおいてもα_v関連インテグリン類の発現調節の検討をおこなった。Tartarate resistance acid phosphatase(TRAP)陽性細胞数は尾部懸垂1週間後、3週間後とも対照に比較して尾部懸垂ラットでは増加していたが、3週間後の尾部懸垂ラットのTRAP陽性細胞数は1週間後の尾部懸垂ラットの1/7に減少していた。β_5インテグリンは1週間後、3週間後とも尾部懸垂ラットでは対照に比較して2倍に増加していた。β_3インテグリンは1週間後、3週間後とも対照に比較して著明な変化をみせなかった。非荷重によりβ_5インテグリンを発現する破骨細胞前駆細胞が増加し、その結果、破骨細胞形成能が亢進し、TRAP陽性細胞数の増加を引き起こしたと考えられた。
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