1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09770561
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
諏訪 清隆 自治医科大学, 医学部, 助手 (30285796)
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Keywords | 脆弱X症候群 / PCRスクリーニング / 尿中細胞 |
Research Abstract |
本年度は、新鮮尿検体を用いた、PCR法による脆弱X症候群の遺伝子診断法の確立を目指した。 我々の研究室では既に、リンパ球から抽出したDNAを用いた、1回PCR法による脆弱X症候群A,Eの遺伝子診断法を確立しており、精神遅滞患者71名におけるスクリーニングで1名の脆弱X症候群患児を検出し得、その検出率は、ほぼ100%である。 この実験を応用し、尿中の細胞を使用したPCR法によるスクリーニング法の確立を検討した。 まず、実際にどれくらいの尿が検査に必要かを特定するため、尿中に含まれている細胞数を測定し、成人と小児での尿中細胞数の顔料の違いについても検討を加えた。結果として、成人に較べて正常小児での尿中細胞数は少なく、数個/毎視野程度と極めて少ないことが判明した。この結果を基に、実際に1回採尿で小児から得られる尿量を考慮し必要尿量を検討した。 尿中細胞からのDNA抽出は、報告されている方法を基に、尿を遠心し、尿中の塩酸類を除去するために、沈渣に50℃の生食を加えて溶解跡、遠心を2回施行し、沈渣からDNAを抽出した。得られたDNAを使用し、Pfuポリメラーゼを用いたPCRを施行したところ、bandの検出率は70%台と低値であった。 検出率を上げるべく、尿の量、遠心、洗浄法に検討を加えたが、検出率の向上にはつながらなかった。 検出率が低い原因として、尿の洗浄過程での細胞の喪失、沈渣からのDNA抽出過程での喪失が考えられた。これに対し、尿沈渣を直接用いたdirect PCRを施行することで、DNA抽出過程での喪失をねらった。結果として、検の結果、5〜10ccの尿があれば、尿中細胞数が少ない小児でもPCRスクリーニングが可能と考えられた。 今後、さらなる検出率の向上を図るため、検体処理法やPCR条件に検討を加えるとともに、1stPCR後にnested PCR、またはPCRサザンの併用を検討していく。
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