1998 Fiscal Year Annual Research Report
p53C末端発現レトロウイルスによるLi-Fraumeni症候群の遺伝子治療
Project/Area Number |
09770570
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松原 知代 山口大学, 医学部・附属病院, 講師 (10245722)
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Keywords | 遺伝子治療 / Li-Fraumeni症候群 / p53 / Retrovirus vector / Pseudotyped |
Research Abstract |
1. p53C末端を発現するPseudotyped retrovirus vectorの作製 p53C末端を発現するvectorであるpLXSNp53C(LTR-p53C-SV40-Neo-p53C-LTR)を、pLXSN(LTR-SV40-Neo-LTR)とpCMVp53(CMV-promotor p53C terminal)からサブクローニングした。 2. Pseudotyped retrovirusの作製 pLXSNp53Cを293GP細胞(ATCCC CRL9078,Molony mouse leukemia virusのgag、polのみをアデノウイルスでtransformさせた細胞)にリポゾームを用いてtransfectionさせた。G418で感染細胞を選別してstable cell lineの作製を試みた.その細胞にpCMV-VSV-G(VSV-Gの膜蛋白発現遺伝子)をリポゾームで一過性にtransfectionさせ、48時間および72時間後の培養上清中のウイルスを採取した. 3. 感染実験 作製したウイルスの抗体価の測定を試みた。通常ウイルスの抗体価の測定には、産生されたウイルスを208F細胞に感染させ、G418で感染細胞を選別して、約2週間後に得られたコロニー数によって算定する.しかし、Pseudtyped pLXSNp53Cのウイルスを感染させてもコロニーが産生されなかった。このウイルスは細胞にとってトキシックであった。よって、Pseudotyped pLXSNp53Cのウイルスは作製できず、ヒトリンパ球由来細胞株(EBVでtransformした正常およびLi-Fraumeni症候群患者のリンパ球と、ヒト白血病細胞株)への感染実験がなしえなかった。より良いベクターの開発が必要である。
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