1997 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス誘導による脳形成障害の動物モデル作成に関する研究
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09770578
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
野田 洋子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (40227848)
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Keywords | アポトーシス / 脳形成障害 / 遺伝子クローニング / トランスジェニックマウス / モデル動物 |
Research Abstract |
脳形成傷害の発生機序は発達期の中枢神経系に加わった血管障害あるいは何らかの原因による神経細胞の遊走障害に起因すると考えられ、種々に動物モデルが用いられてきた。しかし、ヒトの脳形成障害としてしばしば見られる脳回異常、異所性灰白質等を再現しているモデルは見られない。本研究では、ヒト脳形成障害の成因として、未分化神経細胞の増殖・分化過程でのアポトーシスの異常(アポトーシスの時期あるいは量の異常)に起因するものがあるのではないかとの仮説を立て、これを実験的に証明することを目的とした。 研究成果:NSE-Fas/APO-1融合遺伝子のクローニング:神経特異的エノラーゼ(neuron specific enolase:NSE)遺伝子の神経細胞特異的転写を規定する5'上流領域クローン(4.5kbp)にヒトFas/APO-1cDNA(2.5kbp)を接合した融合遺伝子を作成、クローニングした。現在、塩基配列をチェックし、クローニングされた遺伝子が正しく接合されているか否かを検討している。NSE遺伝子5'上流域クローンに関しては培養神経細胞(PC12細胞)、グリア細胞(C6)あるいは間葉系細胞を用いたクロラムフェニコールアセルトランスフェラーゼ(CAT)アッセイを用いて、神経細胞のみに特異的転写活性が存在すことを検討している。来年度はこの融合遺伝子を用いたトランスジェニックマウスの作成を試みる予定である。なお、トランスジーンの導入はマウス尾よりDNAを抽出後、融合遺伝子の接続部をはさむプライマーを用いたPCR法あるいはサザンブロットにて確認する。また、その発現については定量的RT-PCRを行いFas/APO-1発現を対照マウスと比較する予定である。
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