1997 Fiscal Year Annual Research Report
小児うっ血性心不全に対する新たなる治療法開発に関する基礎的研究
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09770580
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
布山 裕一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70277078)
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Keywords | うっ血性心不全 / アドレナリン受容体 / 遺伝子治療 / 心筋細胞 |
Research Abstract |
小児の先天性心疾患、心筋症、不整脈に伴ううっ血性心不全に対しては多くの薬剤が開発されている。しかし、長期にわたる薬物投与は多くの副作用と同時に薬剤に対する心筋の反応性低下をもたらし、ついには小児科的アプローチの限界を向かえる。本研究では、心筋細胞内に特異的にβ-アドレナリン受容体を過剰発現させ、受容体の2量体形成を促し、これによりカテコラミンアゴニストの投与なしで心筋の収縮力を増強させることができるのではないかとの着想のもと研究を計画した。 研究成果:1.小児うっ血性心不全の心筋細胞におけるβ2-アドレナリン受容体の発現検討:臨床的に1ヶ月以上にわたるうっ血性心不全を呈した小児の剖検例につき、心臓各部での心筋のアドレナリン受容体の発現をヒト抗β1-および抗β_2-AR抗体を用いた間接蛍光抗体法にて染色し、その発現を対照(明らかなうっ血性心不全の認められなかった小児例)と比較検討した。間接螢光抗体法のでは両者に明かな差は認められなかった。 2.培養心筋細胞へのβ2-AR cDNAの遺伝子導入:ヒトβ-ARの心筋特異的発現を行うため、ヒトβ_2-AR cDNAとレポーターとしてのβ-galactosidase遺伝子をα-ミオシン重鎖(α-MHC)の5'上流プロモーター領域に接合した融合遺伝子作成を試みた。現在、塩基配列を検討し、正しく融合されているか否かを検討している。今後はこれを発現ベクターに組み込んだ後、マウスの培養心筋芽細胞株C2C12内へ導入。この際、遺伝子導入株選別のためpSV2-neoを同時にトランスフェクションする。トランスフェクタントはネオマイシン存在下で2週間培養の後、β_2-ARの発現をノーザン、ウエスタンブロットにて、スクリーニングし、クローン株を選別する。クローンについてはβ_2-ARの細胞内局在を抗-β_2-AR抗体を用いた蛍光抗体法にて染色し確認する予定である。
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