1997 Fiscal Year Annual Research Report
小児生体肝移植後のHHV-6、HHV-7感染の解析
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09770583
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
吉川 哲史 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (80288472)
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Keywords | HHV-6 / HHV-7 / liver transplantation / unexplained fever |
Research Abstract |
1,ウイルス血症を認めた4例の解析 HHV-6ウイルス血症を認めた4症例について、臨床症状との関連を解析した。いずれも移植後2週間頃に末梢血からHHV-6 variant Bが分離され、血清学的にも有意な抗体上昇が確認された。臨床的には、感染時期に一致して原因不明の発熱を認めており、ガンシクロビル、アシクロビルの静注で症状の改善を認めている。一例は、生後1ヶ月のチロシン血症患児であり、ドナー肝臓を介した感染が疑われた。 2,肝組織中のHHV-6潜伏感染形態の解析 肝組織を介したHHV-6感染の可能性が示唆されたため、HHV-6が肝組織中に潜伏感染しているか明らかにするためレシピエント肝組織、同時期に得られたレシピエント末梢血単核球について解析した。25例のパラフィン包理された肝組織について、免疫組織化学法(ABC法)によるHHV-6抗原検索、薄切切片を脱パラ後PCR法によりHHV-6ゲノム検索を実施した。結果は、全例でウイルス抗原陰性で、ウイルスゲノムも検出されなかった。一方、同時期のレシピエント末梢血単核球中ウイルスゲノムを検索した結果、25例中9例(36%)で陽性であった。よって、HHV-6の潜伏感染部位は、肝組織ではなく肝臓内に存在する単核球が主体となっていることが示唆された。 3,多数例でのHHV-6に関するウイルス学的解析 経時的なサンプリングが可能であった48例について現在解析中。24例(50%)の症例で、ウイルス分離、HHV-6 IgG抗体価の有意上昇、HHV-6 IgM抗体陽性のいずれかの条件を満たしHHV-6感染ありと考えられた。感染時期は、他の臓器移植同様移植後2週間から1ヶ月頃であった。臨床症状については、不明熱、血小板減少、拒絶反応について検討。不明熱のみHHV-6感染と統計学的に関連があることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Suga S et al.: "Clinical features and virological findings in children with primary human herpesvirus 7 infection" Pediatrics. 99(3). 4:1-5 (1997)
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[Publications] Yoshikawa T et al.: "Persistence of protective immunity after postexposure prophylaxis of varicella with oral acyclovir in the family setting." Arch Dis Child. 78. 61-63 (1998)
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[Publications] Yoshikawa T et al.: "Five cases with thrombocytopenia induced by primary human herpesvirus 6 infection." Acta Paediatr Jpn. (in press).
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[Publications] Yoshikawa T et al.: "Four cases of human herpesvirus 6 variant B infection after pediatric liver transplantation." Transplantation. (in press).
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[Publications] Suga S et al.: "Prospective study of persistence and excretion of human herpesvirus 6 in patients with exanthem subitum and their parents." Pediatrics. (in press).