1998 Fiscal Year Annual Research Report
〓帯血幹細胞移植に向けての基礎的検討(造血幹細胞のin vitro増幅)
Project/Area Number |
09770585
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
辻野 吉昭 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (60268547)
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Keywords | 造血幹細胞 / SCID MICE / in vitro増幅 |
Research Abstract |
平成9年度の報告書に述べた造血幹細胞が含まれていると考えらるCD34(+)+lin(-)分画及びそのコントロールとしてCD34(+)+lin(+)分画を、放射線照射したSCIDMICEに経静脈的に投与した。このSCID MICEにrhSCF,rhIL-3,rhG-CSF,rhEPOを定期的に皮下投与することにより、SCID MICEの微少環境を利用したヒト造血幹細胞のin vivoにおける増殖・分化を誘導した。投与2ヶ月後のSCID MICEの末梢血及び骨髄液中の残存ヒト血球を用いてヒト特異的表面抗原解析をしたところ、CD34(+)+lin(-)分画投与群はCD45、CD19、CD20、CD13、CD33、glycophorin、CD34陽性細胞が認められたのに対し、CD34(+)+lin(+)分画投与群はCD45とCD13を少量認めたのみであった。従って、CD34(+)+lin(-)分画には自己増幅能を持った造血前駆細胞やCD19、CD20を細胞表面に発現するリンパ球にまで分化する能力を持った造血前駆細胞を含み、仮定のごとく未分化造血前駆細胞及び造血幹細胞が含まれていると考えられた。またプライマーMCT118でPCR法を用いてnucleotideの繰り返し配列の差を検討したところ、SCID MICEに投与したD34(+)+lin(-)分画及びCD34(+)+lin(+)分画の細胞群は明らかにヒト由来であり、かつ個体特異的であることも同時に証明出来たと考えられた。さらにD34(+)+D38(-)分画及びCD34(+)+D38(+)分画の細胞群の細胞周期の検討を行った結果、D34(+)+D38(-)分画の方が細胞周期のG_0/G_1に含まれる細胞が多いことが明らかとなった。以上より、SCIDMICE及びrhSC,rhIL-3,rhG-CSF,rhEPOを用いることにより造血幹細胞は自己増幅を起こすことが可能であり、同時に好中球、Bリンパ球、赤血球にまで分化することが可能であると考えられた。
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