1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09770586
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
石井 正浩 久留米大学, 医学部, 助手 (90222950)
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Keywords | 先天性心疾患 / 血管内皮機能 / アセチルコリン / ドプラフローワイヤ / 血管内超音波法 / 肺高血圧症 |
Research Abstract |
先天性心疾患患児に於ける血管内皮機能障害を検討した。正常対象群および左右短絡を持つ先天性心疾患患児の肺血管内皮機能および肺動脈の血管壁構造を血管内超音波により検討した。1群:左右短絡を持つが肺血管抵抗が低い者(8例)、2群:左右短絡を持ちかつ肺血管抵抗が高い者(10例)、3群:正常対照者(20例)心臓カテーテル検査時に肺動脈内ヘアセチルコリンおよびニトロールを負荷し肺動脈内の血流量の変化をドプラフローワイヤを用いて測定した。また同部位の肺動脈壁構造および内腔閉塞度を血管内超音波法を用いて計測した。3群においてはアセチルコリン、ニトロールの負荷後肺血流量はともに増加し正常な内皮機能および中膜機能を持つことが証明された。1群においてはニトロールの反応は正常群と比較して有意な差を認めなかったが、アセチルコリン負荷では肺血流の増加が認められず内皮機能の障害が認められた。また2群においてはアセチルコリン、ニトロールの負荷後肺血流量はともに増加せず異常な内皮機能および中膜機能を持つこと示唆された。また、血管内超音波では、1、2群共に内膜の肥厚を認め、内腔閉塞度は2群において有意に高値を示した。以上のことより左右短絡を持つ先天性心疾患において早期より血管内皮障害の存在が証明された。以上の結果は第70回米国心臓学会で報告した。さらに今後それらの薬物負荷におけるNOxの変化を測定し血管形態病理学、生理学および生化学的に総合評価する予定である。
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