1997 Fiscal Year Annual Research Report
汎発性濃疱性乾癬の発症における免疫学的メカニズムの解析
Project/Area Number |
09770594
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川嶋 利瑞 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (70261302)
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Keywords | 汎発性濃疱性乾癬 / サイトカイン / レチノイド / 単球 / IL-IB / TNF-α / IL-6 / IL-8 |
Research Abstract |
1,患者末梢血単核球のサイトカイン産生能の解析 汎発性濃疱性乾癬患者由来の末梢血単核球をSEA,SEB,LPSの存在下で48時間培養し、その培養上澄中の各種サイトカイン濃度を検討した。この結果、患者由来の末梢血単核球は,正常人由来の末梢血単核球と比較して、mitogen刺激時に有意に多くのIL-1b,TNF-aを産生することが示された。 2,各々のサイトカイン産生細胞の分画についての検討 汎発性濃疱性乾癬患者由来の末梢血単核球分画を上記と同様の条件下で24時間培養し,単球のマーカーであるCD14と各々のサイトカインに対する抗体を用いて二重染色を行ない,FACSにて解析した。その結果,単球の細胞内IL-6およびTNF-αは,LPS刺激により,上昇を示し,リンパ球の反応とは異なるタイムコースをとることも示唆された。現在さらに,この反応における,ビタミンD,レチノイドなどの治療薬剤の影響を検討中である。 ヒト血管内皮細胞における細胞接着分子発現の検討 ヒト由来培養血管内皮細胞(HMVEC)を用いてICAM-1,ELAM-1の発現における各種サイトカインおよび治療薬剤の検討を行なった。その結果,IL-1β,TNF-αによりICAM-1,ELAM-1ともに発現の増強を認めたが、活性型ビタミンD3およびサイクロスポリンは、1CAM-1の発現に影響を与えず,レチノイドはその発現を増強することが明らかとなった。
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