1997 Fiscal Year Annual Research Report
悪性黒色腫の発癌におけるFHIT癌抑制遺伝子の関与について
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09770602
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
宮村 佳典 秋田大学, 医学部, 助手 (50272034)
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Keywords | 悪性黒色腫 / FHIT / 癌抑制遺伝子 |
Research Abstract |
現在、検体を集めている最中である。組織採集に続いてのDNA,RNAの抽出及びLOHの検出に関しては、保留している。これには以下に述べる問題が関与している。 1検体数の不足:本研究を行うため手術等で得られた組織を採集しているが、まだ数検体程度であり実験をするのに十分な量が採取できていない。またパラフィン包埋ブロックに関しても本研究に使用できるような状態の良いものは少ない。 2悪性黒色腫組織の単離が困難:手術等で得られた悪性黒色腫組織は肉眼で正常組織との分離を行っているが、そのまま使用すればかなり大量の正常細胞が混入することが考えられる。このためDNA抽出前に悪性黒色腫組織の単離を行わなければならない。単離の方法としては、悪性黒色腫細胞表面に提示された特異的抗原を標的とする抗体を用い、フローサイトメトリーまたはマグネチックセルソータによって悪性黒色腫細胞のみを分離する方法、一次培養してメラノサイト由来の細胞以外の細胞を除去する方法がある。しかしいずれの方法も、使用する組織の量、回収の効率等に問題があるため現時点で使う事はできない。また、パラフィン包埋組織は、その保存期間に応じて回収できるDNAの長さ、量共に変化する。新しい組織だけでは検体数が不足するため、古い組織からも長い断片のDNAを効率良く回収する方法を検討中であるが、いまだ良い方法が見つからない。 これらの問題の解決は困難を究めるが、自ら実験方法を開発すると共に文献を中心に情報収集を行うことで何とかしたいと考えている。DNA,RNA抽出後の実験法については既に確立されていることから、上記問題の解決後は順調に研究が進むと思われる。
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