1997 Fiscal Year Annual Research Report
強皮症にみられる皮膚硬化に関する線維素細胞内情報伝達機構と免疫抑制剤との関連
Project/Area Number |
09770606
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
遠藤 秀治 千葉大学, 医学部・付属病院, 助手 (50282489)
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Keywords | コラーゲン / FK506 / rapamycin (ラパマイシン) / TGF-B / IL-4 |
Research Abstract |
培養ヒト線維芽細胞を1mg/ml TGF-B並びに50ng/ml IL-4で刺激し、I型プロコラーゲンαのmRNA発現に及ぼす各種薬剤の影響を検討した。FK506 rapumycinともに明らかな効果はみられなかった。同様にCSAでもmRNA発現に著変はみられなかった。FK506はFKBP12と複合体を形成し、カルシウムシグナリングに関与するカルシニウリンを阻害する。そこでカルシウムシグナルの関与を確かめるために、Ionouycinを加えたところ、TGF-BLIL-4刺激とともに著明に抑制された。一方ラパマイシンはFKBP12と複合体を形成することによりホスファチジルイノシトール3リン酸化酵素様蛋白質を標的とするが、ホスファチジルイノシドル酸リン酸阻害剤のワ-トマニンを用いても明らかな効果はみられなかった。以上より、I型プロコラーゲンαのmRNA発現にはカルシウムシグナルが抑制的に作用するが、ホスファチジルイノシトール3リン酸のシグナルは関与していないと考えられた。 次に同様の刺激並びに薬剤を用いてマトリックスメタログロラアーゼIのmRNA発現を検討した。マトワックスメタロプロラアーゼIはIonomycin刺激で著名にmRNA発現が増強された。またIL-4はマトリックスメタロプロテアーゼ-Iの発現を増強し、TGF-Bは減弱した。 以上より、コラーゲンの合成並びに分解の両方にカルシウムシグナルが作用してコラーゲンを減少させる方向に作用すると考えられた。
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