1998 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚線維芽細胞の筋線維芽細胞への分化の線維化病変形成への関与
Project/Area Number |
09770639
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
刈谷 公美 高知医科大学, 医学部, 助手 (70243821)
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Keywords | 皮膚線維芽細胞 / 筋線維芽細胞 / α-平滑筋アクチン(ASMA) / 器官培養 / TGF-β |
Research Abstract |
α-平滑筋アクチン(ASMA)は筋線維芽細胞のマーカーの一つであり、真皮結合織においてASMAを表出する筋線維芽細胞分化した細胞は、線維芽細胞に由来すると考えられている。我々は線維増殖性病変部パラフィン切片において、酵素抗体法により真皮結合織間にASMAを発現する細胞を認め、線維化に関与すると考えた。その後多種の線維化病変について検討したところ、筋線維芽細胞分化した細胞の分布には多様性があることが判明した。そこで筋線維芽細胞分化を誘導するサイトカインを解明することとしたが、単層培養した筋線維芽細胞はASMAを自動発現するため、正常ヒト皮膚切片およびdigital fibromatosisをセルカルチャー・インサートを用いて、器官培養を行い、培地中に種々のサイトカイン(TNF-α、TGF-β、PDGF、IFN-γ:10-100ng/ml)を添加し経時的(反応時間6-48時間)に刺激した後、パラフィン切片にてASMA、desmin、vimentinの単クローン性抗体を用いて免疫染色(SAB法、DAB発色)した。正常ヒト皮膚において、サイトカインの濃度、反応時間の相違にかかわらずASMA陽性細胞の出現を認めなかった。一方、digital fibromatosisにおいてもASMA陽性細胞の出現を認めなかった。今後、in vitroでの線維芽細胞の筋線維芽細胞分化に影響を与える因子を多様の要因について明らかにすることが必要である。
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