1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09770645
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
片桐 一元 大分医科大学, 医学部, 講師 (00204420)
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Keywords | 表皮角化細胞 / IL-10 / UVB / IL-13 / mRNA |
Research Abstract |
【目的】人培養表皮細胞がIL-13のmRNAを発現することは前年度に発見していたが,今年度はIL-13のmRNA発現を調節する因子を検討した。【方法】人培養表皮細胞を刺激する方法として紫外線照射を行い,既に紫外線照射後のmRNA,蛋白質レベルの経時的変動が報告されているIL-10と比較した。また,その際に,人培養表皮細胞のカルシウム濃度の違いによる分化度や用いる紫外線照射量の影響をあわせて検討した。mRNA発現量の比較には判定量RT-PCR法を用い、蛋白レベルの比較にはELISA法を行った。【結果】UVB照射によりIL-13mRNAの発現は増強し,照射6時間後に最大となった。IL-10mRNAの発現は照射12時間後が最大であった。(既報告とほぼ同じ)。細胞分化度は発現に影響がなく,紫外線照射量は200J/m^2まで照射量依存性に発現の増強が認められた。培養上清中(一部は遠心濾過濃縮法にて10倍に濃縮後施行した)にはELISA法ではIL-13を検出できなかった。人培養表皮細胞にはランゲルハンス細胞などが混入している可能性があり,確認実験として,上皮系cell line,KB細胞を用いても同様の実験を行い,ほぼ同じ結果を得た。【考察】本実験で人培養表皮細胞のIL-13の産生は,紫外線照射により増強されることが明らかとなった。強い抗炎症・免疫抑制作用を有するIL-10に先行して発現することやIL-13自身も同様の作用を有することから,表皮細胞の産生するIL-13は紫外線照射に対する,生体の防御機構を担っているものと考えられた。
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