1997 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚リーシュマニア症におけるリーシュマニア原虫とmacrophargeの相互関係
Project/Area Number |
09770649
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
丸野 元美 琉球大学, 医学部・附属病院, 助手 (00264507)
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Keywords | 皮膚リーシュマニア症 / LCL / DCL / マクロファージ / Parasitophorous vacuole(PV) |
Research Abstract |
1)対象:南米エクアドル共和国、エルカルメン市の限局性皮膚リーシュマニア症(LCL)患者35例、エスメラルダス地方の汎発性皮膚リーシュマニア症(DCL)患者1例、及びLeishmania(L)amazonensis感染BALB/cマウス20匹。 2)方法 LCL35例中、Smear検査もしくは原虫培養にてリーシュマニア原虫が確認された13例の病変部より得られた皮膚切片に対し、抗ヒトリゾチーム抗体を用いた免疫染色、電顕的観察を行った。免疫染色ではリーシュマニア原虫感染マクロファージの活性を検討した。電顕的観察ではリーシュマニア原虫感染マクロファージのparasitophorous vacuole(PV)の形成を観察した。リーシュマニア感染BALB/cマウスでは病変部より得られた皮膚切片のPV形成を電顕にて観察した。 3)結果 マクロファージ活性について:LCLでは抗リゾチーム抗体陽性細胞が真皮全層にわたり観察されたが感染マクロファージと非感染マクロファージでは染色態度に著明な差はみられなかった。これに対しDCLでは感染マクロファージ、非感染マクロファージとも非常に弱く染色された。 PV形成について:DCLではlarge〜huge PVが形成されたが、LCLではPVはほとんど観察されなかった。感染BALB/cマウスでは全例large〜huge PVが観察された。 4)考案 DCLはLCLに比べ難治であり、BALB/cマウスはリーシュマニア原虫に親和性の強いマウスである。PVがLCLではほとんど観察されず、DCLとBALB/cマウスでのみlarge〜huge PV形成が認められていることはリーシュマニア原虫の細胞内生存とPV形成が密接な関係があることを示唆している。現在、感染BALB/cマウスのPVの電顕写真上の面積と病変部面積との関係について統計的な処理を行っている。
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