1998 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚の光老化の分子生物学的解析:プロテアーゼ活性とマトリックス変性の相関性
Project/Area Number |
09770656
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
瀧本 玲子 順天堂大学, 医学部, 助手 (00266008)
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Keywords | 皮膚 / 光老化 / コラーゲン / エラスチン / コラゲナーゼ / エラスターゼ / 浸潤細胞 |
Research Abstract |
紫外線が関与する皮膚の老化(光老化)を解析する目的で、震光部(顔画)と非震光部(躯幹)の皮膚組織内の、(1)MMP-1,MMP-2,elastase,TIMP-1,TIMP-2のmRNAの局在、(2)線維芽細胞のMMPの発現量の変化、(3)線維芽細胞膜表面の接着因子の変化をそれぞれ検討した。材料は、炎症のない顔画・躯幹の母斑、それぞれ10症例の手術標本を使用した。 その結果、線維芽細胞とT細胞の接触によりMMP-1がup regulateされ、コラゲナーゼ活性の発現を認めた。線維芽細胞と接触したT細鉋を分離し、RT-PCRによりMMP-1mRNAの発現が認められた。従ってコラゲナーゼ活性の少なくとも一部はT細胞由来と考えられた。またこの時TIMP-1の上昇は認められなかった。さらにMMP-1上昇の際、転写因子の一つであるAP-1の活性化をgel shift assayにて確認した。抗体による阻害実験から、線雑芽細胞とT細胞の接触によるコラゲナーゼ活性の発現およびMMP-1mRNA発現には、線維芽細胞上のICAM-1,VCAM-1の関与が示唆された。
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