1997 Fiscal Year Annual Research Report
複合表面コイルを用いた化学シフト画像による子宮体癌の悪性度診断に関する研究
Project/Area Number |
09770701
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
起塚 裕美 島根医科大学, 医学部, 助手 (00273938)
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Keywords | MRI / 子宮体癌 |
Research Abstract |
従来の画像診断では子宮体癌は良性疾患である子宮内膜増殖症やポリ-プ、中胚葉性混合腫瘍、内膜間質細胞肉腫との鑑別は困難であった。このため、これらの疾患における代謝情報の違いをプロトンMR spectroscopy(MRS)で得て、更に分布の様子を画像化することを目的とした。 1.5テスラ超伝導型MRI装置を用いた。MRI画像診断においてはファントム及びボランテイアでT1強調像、T2強調像、プロトン強調像、Gd造影T1強調像において最適撮像条件を検討した。T2強調像の撮像には高速撮像法を使用した。高速撮像法においてはコントラストの低下が問題となるが、今回TR/TE=3000/120,ET=16.6/0mm(interleave)に変更することで短時間で良好なコントラストを得ることが可能であった。またGd造影T1強調像においては脂肪抑制法を併用することでよりコントラストの良好な画像が得られた。 化学シフト画像においては最適送信には躯幹コイルを、受信にはプロトン用直腸内コイルを使用することで、Multivoxel法(2D-CSI)でスペクトル収集を行った。摘出標本で検討した結果、クエン酸、プロトンともにピークの多寡を各voxelごとに表示できるほどの強い信号は得られなかった。プロトンMRSでは水や脂肪からの信号の抑制が非常に重要であるが、これが不十分であったためnoiseも増加した。このため患者に同様な方法で撮影を行っても各疾患における代謝の違いを画像にするのは困難と考えられ、症例での検討は未だ行っていない。現在、水および脂肪抑制の効果的な方法の検討を行うとともに受信コイルである直腸内コイルの改良中であり、signal to noise ratioを向上させることで良好なクエン酸のピークを得て、その分布を画像化し、病理学的検討を加える予定である。
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